トシドン

親に代わりしつけや教育のことでお説教をしてくれる神人

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トシドン
【撮影場所】
鹿児島県西之表市鞍勇民家
【撮影日時】
2015年12月31日(木)/18時48分〜19時01分
【行事場所】
鞍勇民家
【行事時期】
12月31日大晦日
【アクセス方法】
川迎日典寺前から通称鞍勇線を下ると、約七分で鞍勇地域に着きます。

【トシドンの説明】

トシドンは、西之表市鞍勇と野木平地域に伝承されている郷土芸能です。鞍勇地域でのトシドンはしばらく行っていませんでしたが、平成27年は小さな子供のいる家庭1戸で行われました。

トシドンは、写真でも分かるとおり、天狗に似た長い鼻や角をつけた仮面を被り、ムシロを着て片手に大きな長刀を持った大変怖い神人です。子供のことでそこの親に代わり、しつけや教育のことでお説教をしてくれる方なのです。

平成27年12月31日、大晦日に午後六時半過ぎから、青壮年が中心になり行われました。公民館に六時ごろ集まり、準備と打ち合わせを行います。巡回する家庭の子供たちの名前や言うことを聞かない内容などを間違いのないよう確認も行います。

トシドンのほかに、脅し用のガンガンを二つ、ほうきを二本、土産などを持つ脇役も七人居ます。民家に近づくと、ガンガンやほうきで壁などを叩き脅しながら玄関を開けて中に入っていきます。中へ入るとトシドンが、大きな声を上げながら子供の名前を呼び、目の前に座らせ、お説教を行います。これにたまらず、泣き出す子供もいます。しかし、小学生の1、2年生になると、なかなか驚いてくれません。

一枚目の写真は、トシドンが現れて子供をお説教している場面です。「親の言うこと聞け」とか「勉強もせー」とか、親の言えない部分までトシドンが説教してくれます。これにたまらず子供たちも「言うことを聞くから」とトシドンに約束していきます。そしてお説教が終わると、トシドンが大きな餅の土産を子供に与えていき「来年もくいからなー!」と言いながら民家を後にします。

ところで、鞍勇と野木平地域は、明治時代に甑島から移住しています。したがって、トシドンは甑島から伝承されています。子供の教育に熱心なトシドンなのです。

民家でのトシドン 写真は、民家でのトシドンです。家族で一家団欒の最中にガンガンやほうきで脅しながら玄関を開けトシドンが中へ入ってくるのです。 もうそこまで、トシドンがやってきています。
トシドンのお説教を受けている子ども 写真は、民家でのトシドンです。トシドンのお説教を受けている最中です。ケンケンなどをさせられたりします。父親は、後方でお説教を静かに聞いています。
民家でのトシドン 写真は、民家でのトシドンです。昨年もトシドンのお説教を受けていました。今回は、少し慣れていたかのような感じで、あまり怖がらなくなっていました。【平成25年12月31日撮影】
民家でのトシドン 写真は、トシドンが現れて子供をお説教している場面です。「歌もうとうてみれ!」「親の言うこと聞け」とか「勉強もせー」とか、親の言えない部分までトシドンが説教してくれます。これにたまらず子供たちも「言うことを聞くから」とトシドンに約束していきます。そしてお説教が終わると、トシドンが土産を子供に与えていき「来年もくいからなー!」と言いながら民家を後にします。(写真〜2007年12月31日)
民家でのトシドン 写真は、民家に近づきガンガンやほうきで脅しながら玄関を開けトシドンが中へ入っていくところです。なお、民家を離れるときも音を出しながら去っていきます。(写真〜2007年12月31日)

【過去の画像】

トシドン 2008.8.4
トシドン 2008.8.4(城ノ浜ふるさと夏祭りにて)
2013.12.31〜