横山盆踊り

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踊りは悲劇的な様子を表現

横山盆踊り
【撮影場所】
鹿児島県西之表市横山神社
【撮影日時】
2015年7月12日(日)/17時16分〜19時52分
【奉納場所】
横山神社
【奉納時期】
旧暦の七月七日に近い日曜日
【アクセス方法】
西之表市街地あっぽ〜らんど方面に向かう横山神社境内で行われます。市街地から約7分でこの地に着きます。

【踊りの説明】

横山神社の六月灯で奉納された盆踊りです。鹿児島県の無形民族文化財に指定されています。阿久根千代女の霊を祀った踊りです。夕暮れ時に踊るので、哀愁に満ち溢れています。

少し早めに来て神社境内などを見て歩いてみると、神社入口には、六月灯の灯篭が二灯飾ってあります。境内に入ると、中ほどに灯篭も十数灯飾っていました。

踊り手の服装ですが、白の着物に黒や紺の布地に白の横縞の入った帯をして、さらに白や水色の飾り帯もして、白足袋にワラジをはいています。そして、腰には刀とサカキの小枝を差しています。頭には、カムキや花飾りをした笠を被り踊っていきます。カムキをしているのは、神様に息がかからないようにするためだといいます。

踊りは基本的に二重円になっていますが、七夕飾りを持った踊り子、太鼓、小鼓、鉦を持った踊り子は円の中心部にいます。公民館前から入場して、二重円の隊形になっていきます。また7人で公民館前で歌います。一番外が花飾りの笠、次の円がカムキです。踊りの進行は時計方向にゆっくりしたテンポで進んでいきます。

踊りは一番から四番まであります。一番は、センスも持って踊り、二番はセンスも持ち、首を落とす動作を真似たものだといいます。三・四番は手踊りということです。最後までゆったりと単調ではありますが、荘厳で時には哀愁も感じられます。最初と最後が特に難しいということを聞いています。

盆踊りの歌詞の中で、出端の歌の部分には、武蔵野とか品川とか、東京の地名が出てきます。やや不思議なところもあります。しかし、阿久根千代女の言葉がたくさん出てきます。

阿久根千代女は、高い教養力と才能があった人で、薩摩藩の家老であった比志島国隆の妾であったという。国隆は種子島に島流しにあい、阿久根千代女もその後を追って、坊津から丸木舟で種子島へ向かったといいます。二人は横山で再会するが、国隆に切腹の命令が出て、阿久根千代女も一緒に殉死しています。

盆踊りは、二人の霊を祀ったのが始まりといわれています。踊りはその悲劇的な様子を表現しています。今年で、阿久根千代女が亡くなってから、381年目になります。横山地域の人々は、毎年千代女の霊を供養しています。約二十分の悲劇的な踊りに感動せずにいられません。

灯籠が飾られた横山神社境内 写真は、横山神社境内です。六月灯の灯籠が境内には飾られています。踊りは、この右方公民館前で奉納されます。
参拝者へお神酒を出すところ 写真は、神社の中で参拝者へお神酒を出しているところです。お神酒を受け終わると、お米が渡されます。
着物の着付け 午後6時になると、公民館内では白の着物の着付けが行われます。
盆踊り保存会長のあいさつ 踊りの前に、盆踊り保存会長のあいさつがありました。昨年は、宝山ホールでの郷土芸能祭に参加したことや今回上西小の児童4名が踊りに参加することなど話していました。山村留学生2名も参加しました。
盆踊りの唄い手 写真は、盆踊りの唄い手です。唄は素朴な哀愁で歌われます。このほか、小太鼓、小鼓、鉦の三人の鳴り物もいます。唄に合わせてリズムを刻みます。その素朴な音が境内に響き渡ります。
阿久根千代女の踊り 写真は、阿久根千代女の踊りです。手には、サカキの小枝を持って踊るのが特徴です。
七夕の短冊を持った踊り子 写真は、踊る前に七夕の短冊を持った踊り子が、反時計方向に「チョー」という掛け声を出しながら、太鼓、小鼓、鉦のまわりをすばやく廻っているところです。廻り終わると手踊りが始まります。
この間、カムキや笠は腰を低くして待っています。この動作は、踊りが四番まであるので、四回繰り返されます。

横山盆踊り

(出端)
 種子とりてうれし うえなは 武蔵野の
 しょもくやらん 吾が思い草 茂れ茂れ
 おさまる御代こそ めでたけれ

(めでためでた)
 めでためでたの 御殿屋敷 小倉九ツ
 御門八ツ 船は千艘 御金舟よ 金をおろすは 品川に

(梅が枝)
 梅枝や匂いにかげるわが心
 富士のうらばにえおく露 その名 玉かづらかけ しばし

(鯉の小池)
 鯉の小池 浮いたる舟は 銀の白金 櫓こげや
 おしこめと との浦

(阿久根千代女)
 阿久根千代女は 夜舟こぐ
 足もだるんど 手もだるんど まして夜風も 寒かるど
 寒かるど 寒かるど まして夜風も 寒かるど
 阿久根千代女は、 ちご心 玉章(たまずさ)に
 また唄かえて 花の恋の女に やると見た やると見た やると見た
 花の恋の女に やると見た 花の恋のおんなの おしゃれごと
 うつつ名の立つ 玉章を 水に浮草 笹の露
 坊のとばせに舟のりて あらし待ちたる 心して
 これも浮世の物語り 物語 物語
 これも浮世の物語

(春の夜)
 春の夜の夢 おどろかす くだかけの その君ぎみの物思い
 また逢うことは五つ川の 深き心は かぐち草
 根引きせんと よいかわす 身に捨て草で 捨てられて
 流れし此の身は 淀川の 何をたよりに 浮草の
 波に揺られて 歌語ろう あわんや 君が情けなや情けなや
 それは若草 身はうらみ草 何ぞそなたに 逢いたい話
 秋の別れも せんなかなれど よしなき恋を
 人にせかれて 面白や

(福神丸)
 ことしゃ めでたいの 福神丸に 黄金の台に 松植えて
 一つの枝には 銭がなる 二つの枝には 金がなる
 すえのみどりに 鶴すえて なにとさえずる
 立ちより聞けば ことしゃ よい年 宝の年よ
 道の小草に 米がなる 思いのままに 満腹へ

(引端)
 せんとみやまの せんとみやまの 奥の入りには
 ちょうと出た よしわか ふじはかまきて 見ればたて袖
 長羽織 裾にゃうれし おがのこに よしながきみおいた
 おもしろや


※ 2015年7月12日、西之表市横山神社境内で横山盆踊りを撮影したものです。この動画の中には、踊りの見てほしい所のポイント、手踊りの出端、本踊り、引端、山村留学生踊り子の感想などを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の郷土芸能:哀愁に満ち溢れた悲劇的な手踊り横山盆踊り

※ 2013年7月14日、西之表市横山神社境内で横山盆踊りの奉納踊りを撮影したものです。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の郷土芸能阿久根千代女の霊を祀った踊り横山盆踊り

 

【過去の画像】

横山盆踊り 2013.7.14
横山盆踊り 2013.7.14(横山神社にて)
横山盆踊り 2008.11.23
横山盆踊り 2008.11.23(かんしゃ祭にて)
横山盆踊り 2006.7.16
横山盆踊り 2006.7.16(横山神社にて)
2015.7.13〜