熊野神社鎮座五百五十五年を迎えての記念秋季大祭で、熊野地域の皆さんによる「大踊り」が公開されました。大踊りとしては、安城踊りに属しますが、踊る回数が二回です。しかし、踊る時間としては35分を超える大踊りです。特徴として、中種子町に伝承されている大踊りは、一般的に大踊りの中でも武士踊りが多いことです。熊野地域の大踊りも武士が四人います。
この大踊りの服装は、黒の衣装姿で頭に笠をかぶった踊り子が十六人、小鼓八人、そして鉦八人です。またハチマキをした艶やかな衣装を身に着けた太鼓十七人、武士は四人いますが二人ずつ兜、陣笠を被っています。武士の中には子供二人もいます。
ところで、この大踊りは出端、本踊り、崩し、本踊り、崩し、引端で構成されています。したがって、一回目の踊り、二回目の踊りが少し間をおいて連続して踊っています。そして、本踊りは笠、太鼓ともに時計方向に進行していきますが、移動距離が大変少ないことです。しかし、本踊りの後半になると(場合によっては崩しかもしれません)、踊るテンポが少し速めになっていきます。これは二回目の本踊りでは最初から少し早めになっています。
写真一枚目は、一回目の本踊りの後半の様子です。テンポが速くなっています。踊りの中で、「シャント」という調子が随所に出てきます。大踊りの中で、「北の町」の節があり、この節によって踊られていますので、別名「北の町大踊り」とも呼ばれています。
太鼓や鉦が多いので、境内いっぱいに民族的な声や音が響きわたり、勇壮な踊りを披露してくれました。境内にはたくさんの観衆が大踊りを見入り、踊りの途中拍手も送るなど、華麗な時には哀愁もある大踊りに魅了されていました。
「北の町」大踊りの歌詞の一部
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小松恋しや 小松恋しや
恋の踊りはひと踊り ひと踊り
〜〜〜 省略 〜〜〜
写真は出端の様子で、「ヤー、サー」の調子で武士四人から入場していきます。太鼓は武士より少し遅れて続きます。次第に二重円の隊列に変化していきます。それが終わると本踊りが始まります。 | |
写真は二回目の本踊りです。本踊りは、円形の隊列で、時計方向に移動しながら、踊っていきます。写真は、武士姿の踊り子を写しています。 | |
写真は一回目の崩しの部分の踊りです。一般的に崩しは大変短い踊りです。これが終わると、少し間をおいて二回目の本踊りが始まります。 | |
写真は二回目の崩しが終わり、引端の様子です。大踊りがすべて終了です。 |