蚕舞い(かいこまい)

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蚕の繭に似せた踊りを楽しませてくれる蚕舞い

新築家でのペアーによる蚕舞い
【撮影場所】
鹿児島県熊毛郡南種子町上中本町
【撮影日時】
2012年1月15日(日)/17時09分〜20時35分
【写真情報】
サイズ[34.5〜48.3KB]、カメラ[Nikon D300+SB-900]
【行事場所】
南種子町上中本町
【行事時期】
毎年一月十五日、午後五時より
【アクセス方法】
西之表港から国道58号線経由で約1時間。種子島空港から約35分。

【踊りの説明】

南種子町上中本町地域に小正月行事として伝承されている「蚕舞い」です。毎年一月十五日に各家を巡回して行われます。蚕舞いは、本来、養蚕が盛んだった時代に、蚕の豊作を祝う行事でしたが、現在は、家内安全・繁栄、無病息災などを祝う行事として、種子島では南種子町で伝承されています。

蚕舞いは読んで字の如く、蚕に似せた踊りで、青年男子が着物姿で女装して各家庭を回り、扇子を持って優雅な舞いを披露する小正月行事です。白頭巾の顔の中心部は蚕の口に似せてあります。そして、踊り子のほかに太鼓、入鼓、鉦、拍子木の鳴り物もいます。

本町地域の蚕舞いは、青年団、子供会が中心となり四班に別れ実施しています。午後五時までに公民館に集まり、班ごと回る家庭を確認したり、踊り子は女装を行います。そして、五時半になると、いよいよ公民館での蚕舞いの打ち込みを行います。それが終わると、班毎に分散していきます。

ところで、本町の蚕舞いは、今回、四年ぶりに復活しています。そして、特徴的なのが、親子で蚕舞いを踊ることです。これは、新しい試みだと校区長さんが話されていました。そして、1月20日の南種子町立中平小学校の落成記念式典で、蚕舞いを踊るということでした。

写真一枚目は、新築家での蚕舞いです。ペアーで踊ってくれました。本町地域の蚕舞いは、歌と同時に蚕舞いが始まります。途中、団子(だご〜切り餅を枝にさしたもの)を持っての踊りはありません。鳴り物は、玄関先で蚕舞いを歌います。太鼓や鉦、そして、拍子木の音に合わせてリズミカルな調子で、あまり高低差はなく歌っていきます。真冬の静かな夜に鳴り物が響きわたります。大変リズミカルな調子で蚕舞いの優雅な踊りを楽しめます。なお、前年に不幸のあった家庭には訪問しません。

各家に着くと、まず、玄関を開け、「お祝い申そう」と言って、鳴り物を叩き始め蚕舞いが始まります。蚕舞いが終わると、祝物をいただきます。焼酎、ご祝儀などです。また、ビールや焼酎なども差し上げたりします。

各家での蚕舞いが終わると、すべて終了です。再び公民館に戻り、全員で蚕舞いを踊り、全てが終了します。そして、子供たちは晩御飯を、大人は宴会を行います。

親子で蚕舞い 民家での蚕舞いです。林さん親子が、見事な息の合った優雅な蚕舞いを見せてくれました。
外での鳴り物 今年の蚕舞いは、雨が降る中での蚕舞いでした。外での鳴り物は、傘や合羽などを着て、叩いたり、歌っていました。
世帯主からご祝儀を差し出してくれる 蚕舞いが終わると、世帯主からご祝儀を差し出してくれます。ありがたいことですね。
家主が食べ物や飲み物などを振舞う 蚕舞いの踊りが終わると、玄関先で家主が食べ物や飲み物などを振舞ってくれます。踊り終えた踊り子は、ストローを使って、飲んでいきます。
民家での蚕舞い 民家での蚕舞いです。四班に分かれているので、着物も違えています。毎日、10時くらいまで、練習を重ねてきています。
上妻酒造での蚕舞い こちらは、焼酎「南泉」でおなじみの上妻酒造での蚕舞いです。踊りが終わると、当然ながら南泉の焼酎が振舞われました。
民家での蚕舞い こちらは、民家での蚕舞いです。ご主人が正座して、蚕舞いをじっと見つめていました。
民家でのペアーによる蚕舞い 新築の家では、蚕舞いをペアーで踊ってくれます。この家の繁栄、無病息災、家内安全などを祝い、踊っていきます。
コンビニのエブリワンでの蚕舞い こちらは、コンビニのエブリワンでの蚕舞いです。店の入口付近で、優雅な舞いを披露してくれました。
公民館での踊り子全員による蚕舞い 蚕舞いの最後は、公民館での踊り子全員による舞いです。五人の蚕舞いは、滅多に見ることがありません。素敵な衣装姿で、児童の蚕舞いも見れたし、貴重な一日でした。
宴会 舞いが終わると、宴会が始まります。焼酎やビールで、皆で蚕舞いを語らいます。当方、校区長さんからご紹介をしていただきました。厚くお礼を申し上げます。

蚕舞い

お祝い申そう

これから申す 門から申す
これのご家は裕福なご家と見かけ申すが
九十九回のこの宮じょう回しまするさきに 綾をはえ 錦を広めて
これから思えば東の峠のアサイライ木陰の ケンケン鳥のめんどりの
右のおぼり羽 左の風切り おっとり合せて
一羽がいですくえば 千枚すくう
二羽がいですくえば 二千枚すくう
三千枚のこがねをよせ集めて とくと産ませて はるごになるときゃ
はいらいらいと申す つんだごになるときゃ
つんとつんと申す 虫におきるときゃ
あまかも嫌わず つゆかも嫌わず ながめになるときゃ ハイのまいを召すが
はるこまは夢に見てさえ ものゆきものと聞こえ申すが
龍のこまかよ やっさドンドン 舞に回して
その まゆのかたさは あんま河原の小石よりも まだ固いこの宮じょう
祝いに祝うて おじゃるどうからかがせたまえよ
ばばじょう様娘じょうまで
町のお祝い おくみあれ

 

追記〜ご丁寧に対応していただいた本町公民館の皆様、今回お世話になりました。皆様の益々のご活躍を期待しています。