種子島では、初春から初夏にかけて、「アザミ採り」が盛んになってきます。アザミといっても通常のアザミではなくて、海岸に生えるハマアザミのことをいうのです。
種子島は、海に囲まれているので、どこの海岸でもハマアザミは生えています。便利がよくて、多数生えている場所となると限られてきます。
西之表市住吉志和野から、中種子町星原浜津脇にかけての国道58号線沿いで、最もアザミ採りが盛んです。採ったアザミは、佃煮にして食べることになります。
「アザミの佃煮」は、種子島の珍味として島民から親しまれている食べ物として有名です。写真一枚目は、ハマアザミの葉の主脈部分を残し切り落としているところです。
アザミ採りは夫婦で行っており、旦那さんは近くでアザミの葉を切り取る作業を、奥さんは切り取ったアザミの葉を主脈だけ切り取り、作業を分担して行っているのです。
馴れた手つきで、手早く葉を切り落としていました。写真二枚目は、切り取った主脈部分です。これを家に持ち帰り、アザミの佃煮にして、島外にいる子供たちに送るということでした。
奥さんからアザミの佃煮の作り方を教えていただきましたので紹介します。
@切り取ったアザミは、きれいに不純物などが残らないように拭き取ります。
Aアザミは、2.5〜3センチの長さに切り落とします。
B切り落としたアザミは釜で、水を替えながら2回沸(ふ)かします。(このとき黒いアクが出てくる)
C沸かし終わったら、ザルに入れてよく水を切る。
Dアザミを鍋に入れ弱火で煮詰める。好みに合わせて、砂糖、しょうゆ、本だしなどを入れる。
E出来上がる前に、みりんを入れて汁気が無くなるまで煮詰めると、佃煮が出来上がる。
F出来上がったアザミの佃煮は、白ゴマを振りかけて食べると、更においしくなる。
葉の主脈だけを残す
切り取ったアザミ