サトウキビ

サトウキビは種子島の主幹作物

サトウキビは種子島の主幹作物の中で、一番栽培されている農産物です。種子島全域で栽培されており、平成28年12月5日(月)13時に工場が稼動し圧搾を開始しています。

平成28年度の栽培農家全戸数は1,918戸(-119戸)、27年度に対し93.9%で若干減少。収穫面積は2,404ヘクタール(ただし、10ヘクタールは含蜜糖向け)。前年度に比較して、110ヘクタールの大幅な減少。生産量は、172,728トンを見込んでいます。これは、前年度実績に比較して、47,436トンの37.9%の大幅な増加を見込んでいます。

前年度より47,436トンの大幅な増加となる要因は、2月以降の気温が平年並み以上で推移したことから春植えの発芽が良好で、順調に生育したことにより、夏場の少雨でも影響は少なく、9月以降の台風により恵みの雨となり、特に、11月は好天に恵まれ葉の生育状況も良好で、今後もさらに順調に登熟されるものと期待されています。その結果、10アール当たりの収穫量が、やっと、平年並みに回復し、昨年、一昨年の不作から抜け出し、久しぶりに農家に笑顔が戻り、同じ仕事をして、例年にない収入増が期待できると関係者は話しています。

ちなみに、昨年度10aあたりの単収は4,986kgでしたが、今年度は、単収7,184kgを予想しています。また、操業開始時の糖度は、11%台でしたが、今では、12%を超えているので、今後登熟が進むであろうと予想されています。

収穫面積と生産量見込(28/29年期)
市町名 項目 栽培農家(戸) 収穫面積(ha) 生産量(t)
西之表市 28年度見込
686(-58)
653(-40)
43,967
27年度実績
744
693
30,950
中種子町 28年度見込
930(-40)
1,272(-67)
96,162
27年度実績
970
1.339
66,292
南種子町 28年度見込
302(-21)
479(-2)
32,599
27年度実績
323
481
22,379
種子島合計 28年度見込
1,918(-119)
2,404(-110)
172,728
27年度実績
2,042
2,513
125,292

ところで、これまで島内で栽培されているサトウキビの品種は、99%が農林8号でしたが、最近は、農林22号が増えてきています。その比率は、農林8号が80%まで低下しています。農林22号は、12月の早い時期でも糖度が高いのが最大の特徴です。一方、農林8号に比べて茎が細いので、脱葉しにくい短所もあります。

サトウキビの糖度は甘蔗(かんしゃ)糖度と呼ばれ平均で13%くらいです。平成28年度は、台風が恵みの雨をもたらし、その後は、好天に恵まれており、糖度も安定し、平年並みを予想しています。

サトウキビの基準買入価格は、きび原料代5,348円(糖度13.7度)と国から直接支払われる交付金16,420円を合せると、トン当たり21,923円になります。現在、細かに糖度ごと価格が決まっており、糖度13.1以上〜14.3以下は基準糖度といわれ、交付金が16,420円で統一されています。糖度が13.1を0.1度下回るごとに100円を差し引き、糖度が14.3を0.1度上回るごとに100円を加えた額にそれぞれなります。

中種子町にある新光糖業樺種子工場では、平成28年12月5日(月)、13時より、サトウキビの圧搾が行われており、平成29年4月19日(水)5時まで続きます。原料数量に恵まれており、通常、1,500トン/日、最大で1,550トン/日での操業を計画しています。

また、28年度も増産推進日を設けており、平成29年2月23〜28日までの期間で実施する計画です。この時期は、春植えに最も適した時期なので、サトウキビ農家に多く作付していただくように呼びかけています。なお、この期間中は、工場を停止します。

課題として、毎年のように作付面積が減少し、その歯止めがかからず、目標値である2,700haに達していない状況が続いています。新光糖業では、2月下旬の増産推進期間中は、採苗作業等の応援体制を予定しており、きび農家とともに目標達成に努力することとしています。

ところで、工場で最終処理されたものは分蜜糖と呼ばれ出荷されます。この分蜜糖のことをローシュガーと呼んでいます。サトウキビを製糖工場で処理する以外に、サトウキビを圧搾しその搾り汁を煮詰めた黒砂糖も現和や沖ヶ浜田で作られています。これはほとんどお土産用です。また、お土産用にサトウキビを30〜40センチくらいに切ったものもあります。

収穫が終わると、新植したり、切り株にビニールを被せて育成していきます。この栽培は、種子島独自のものとされています。写真一枚目が「マルチ栽培」、二枚目が普通の「露地植え栽培」です。サトウキビは、一度新植すると、3年間は、その状態で収穫できます。4年目は必ず新植作業を行います。サトウキビには竹みたいに節があります。新植するときは、2〜3節を残し40〜50センチくらいに切り、それを植えていきます。

夏になると、畑のサトウキビも大きく成長し、2〜3メートルくらいに成長しています。その頃になると台風も発生するので、サトウキビ農家の人たちにとっては、大変気がかりな季節になってきます。一度、襲来を受けると、全部倒壊され寝てしまいます。一番成長する時期に、台風は厄介なものです。しかし、倒壊したサトウキビは回復力があり、再び上に成長していきます。収穫まで、追肥や草取りなどの管理作業があります。

ところで、サトウキビの原産地は、南太平洋のニューギニア周辺で誕生したといわれています。そして、種子島では文政十年(一八二七年)から砂糖作りが始まったといいます。地元では、サトウキビのことを「オーギ」と呼んでいます。これは葉が扇に似ていることとか、イネ科の植物で多年草木の「荻」に似ているところから呼ばれています。また、砂糖を煮詰める際の薪を「砂糖木(さとうぎ)」と呼び、そこからきているなどの諸説があります。

写真四枚目は、西之表市住吉のサトウキビ畑です。ハーベスタを使ってキビを収穫している作業です。現在、97〜98台のハーベスタが平均して稼働しており、一時間当たり4、5トンを刈り取ることができます。写真でも分かるとおり、ハーベスタを使う場合、あらかじめキビの先端部を切り落とす必要があります。その作業は、事前に切り落としておきます。また、出荷されるサトウキビの75パーセントが機械切りとなっています。

写真五、六枚目は中種子町牧川のきび畑での収穫作業です。ハーベスタは、文明農機製のものです。その下が、刈刃の部分を写したものです。刃が内側に回転するので、サトウキビを抱き込む形で刈り取るのです。

現在、種子島でハーベスタは、100台はあるとのこと。もちろん、ハーベスタを使う場合、三年キビの収穫時に使用するとのことですが、耕作面積が広い場合は、人間の手作業ではとても追いつけなく、ハーベスタを使っています。先端部を短く切り取ると糖度に影響し、欲せずに切り取ることが必要だと言われています。ハーベスタでは、一畦ずつキビを処理していきます。なお、処理されたキビは、30センチ前後に切断されています。写真三枚目のような簡易のハーベスタも使用されています。

写真六枚目は、サトウキビの手作業の様子です。一本ずつサトウキビを切り倒し、それを専用鎌によりハカマを剥ぎ取っていきます。20本ずつ束ねたサトウキビを道沿いまで運んでおきます。結構大変な作業です。種子島での収穫作業、4月中旬ごろまで続きます。

写真七枚目は、サトウキビの機械による植付け作業です。トラクターの後部にきび植付け用の機械を装着しています。二名によりきびを投入していきます。あとは、機械が肥料の添加ときびの植付けをすべて行ってくれます。1時間に10アールの植付けができるとのこと。植付け作業の簡素化が期待できます。

ところで、サトウキビの収穫サイクルは、次のようになっています。
       新植(夏、冬)
        ↓
       収穫する=収穫量が多い
        ↓
       収穫後、ポリビニールを被せる。切株から新芽が出てくる
        ↓
       収穫する=収穫量が多い
        ↓
       収穫後、ポリビニールを被せる。切株から新芽が出てくる
        ↓
       収穫する
        ↓
       すべて新植する

砂糖の歴史
754     鑑真和上により砂糖が伝えられる
1550年頃 日明貿易で砂糖の輸入が盛んになる
1609    直川智(奄美大島)甘蔗導入と同時に黒糖の製造法を伝える
1623    儀間真常 沖縄に黒糖製造法を伝える。徳川家光時代本土で甘蔗が試作される
1627    阿波(徳島)で製糖
1735    尾張知多で製糖 九州肥前でも製糖
1740    紀州で製糖
1780    日向、阿波で製糖確立
1788    讃岐、伊予で製糖確立 その後各地で製糖確立
1819    天草でさとうきびが栽培される
1825    種子島でさとうきびが栽培される
1838    薩摩、大隈で糖業開始(それ以前の可能性も大)
1853    ペリー小笠原にさとうきびを伝える
1902    奄美大島に糖業試験場設立
1915    世界各地より導入した50品種を試作
1931    沖縄試験場で交配採種に成功
1990    NiF8(農林8号)、Ni9(農林9号)を育成
※ 黒糖伝承館の資料より抜粋

※ サトウキビの諸データは、新光糖業蒲l提供

マルチ栽培

マルチ栽培
【撮影場所】
鹿児島県西之表市住吉
【撮影日時】
2014年4月19日(土)/14時11分

露地栽培

露地植え栽培
【撮影場所】
鹿児島県西之表市上能野
【撮影日時】
2014年4月25日(金)/16時25分

小型のハーベスタ

小型のハーベスタ
【撮影場所】
鹿児島県熊毛郡中種子町坂井
【撮影日時】
2010年1月2日/10時59分

松元機工製大型ハーベスタで収穫

サトウキビをハーベスタで収穫
【撮影場所】
鹿児島県西之表市住吉
【撮影日時】
2011年12月24日(日)/14時19分

松元機工製大型ハーベスタの刈刃

大型ハーベスタでの収穫
【撮影場所】
鹿児島県西之表市住吉
【撮影日時】
2011年12月24日(日)/14時19分

文明農機製大型ハーベスタでの収穫

文明農機製大型ハーベスタでの収穫
【撮影場所】
鹿児島県中種子町下牧川
【撮影日時】
2013年3月25日(月)/14時19分

文明農機製大型ハーベスタの刈刃

文明農機製大型ハーベスタの刈刃
【撮影場所】
鹿児島県中種子町下牧川
【撮影日時】
2013年3月25日(月)/14時29分

手作業での収穫

収穫されたサトウキビ
【撮影場所】
鹿児島県西之表市下西下石寺
【撮影日時】
2007年12月2日/14時29分

機械での植付け作業

収穫されたサトウキビ
【撮影場所】
鹿児島県熊毛郡中種子町坂井本村
【撮影日時】
2013年3月10日/11時03分

※ 2013年3月10日(日)、中種子町坂井本村のきび畑で、機械によるサトウキビの植付け作業を撮影したものです。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の農業:機械によるサトウキビの植付け作業

※ 2013年3月25日(月)、中種子町牧川のきび畑で、文明農機及び松元機工の大型ハーベスタによるサトウキビの収穫作業を撮影したものです。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の農業:大型ハーベスタによるサトウキビの収穫作業

2013.12.27〜