十三番〜深川

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山道入り口付近 四月に入り大変過ごしやすくなってきたので、久しぶりに散策をすることにしました。今回は、私も初めての山道です。ここ種子島は、屋久島と違い平坦な地形です。したがって、大きい山などありません。一番高いところでも282メートルです。その高いところは、種子島気象レーダーがある場所です。天気予報でもお馴染みです。県道からその大きなドームが見えています。その入り口は一般的に十三番にあります。このレーダー入り口から山道を通り深川に出る散策です。前もって車は、到着地点である深川神社前に置いておき、友人の車で種子島気象レーダー入り口まで送ってもらうことに。

 北西の風が吹き、少々肌寒い天気でしたが、雲ひとつない快晴です。種子島気象レーダー入り口で降りると、左側に看板が立っています。おなじみの「ふるさと歴史散歩」の立て看板です。この看板に気象レーダーのことが書いています。ちなみにこの気象レーダーは昭和24年に設置されています。県道から山道を進むと、両サイドは杉林です。また道沿いにハイビスカスも植えています。50〜60メートルくらいでしょうか。三叉路があり、左は気象レーダーへの道です。現在は無人化されています。少し進むと、左に人家があるようです。人が住んでいるかは分からないですが…。

テレビ塔 道沿いには、タチツボスミレ、アザミ、ツワなどが生えています。近くからはヒヨドリやホトトギスの鳴き声もしてきます。所々マムシグサも花を咲かせています。県道から100メートルくらいでしょうか、テレビ塔のアンテナ建屋入り口への道が三叉路になっています。さらに進んでいくとまた三叉路になっています。杉の間伐作業をやっているらしく、小型重機をおいています。左に進んでいくと先は行き止まりです。引き返して右に進んでいくとちょうど、テレビ塔の裏側に当たります。ここまでは少し坂道でしたがこんどはず〜っと下り坂です。

 この付近は間伐作業をやっていて、道沿いに倒した杉を置いています。また、道を塞ぐかのように一本倒していました。風が強いため、木のざわめきがうるさいくらいです。道沿いは、マテバシイ、タブノキなどが主役で生い茂っています。また、シダ類もたくさん生えていて、すきまからあちこちぜんまいが出ています。先月で狩猟期間も終了しているので、こういう山歩きも少しは安心です。さらに下ってくると次第に雑木林の背丈が低くなってきます。その中でミズキが白い花を咲かせています。さらに進むと土手には小さい松があちこち生えています。今度は道全体的に枯れススキが多くなってきます。杉林もありますが小ぶりです。木の間からまわりの山を見るとほんとうにきれいです。木々が一生懸命新芽を出して山肌を色とりどりに飾っています。歩いているとなかなか距離感がなくなってきます。ふだん車ばかり使っているので鈍感になっています。県道からどのくらい来たのだろうかと思っても距離感がないですね。

 さらに進んでいくと、今度はシダ類が多くなってきます。それもつかの間で両サイドから木々が追いかぶり、ほとんど日も照るような状態ではありません。マテバシイの枯葉がたくさん落ちています。日が当たらないことで雑草もツワが少々生えているだけで道も歩きやすいです。ヒヨドリの勇ましい鳴き声は収まることはありません。その小鳥の鳴き声に混ざって、遠くから耕運機の音も聞こえてきます。山沿いに畑があるのでしょう。いくつか三叉路があり最後の三叉路を間違えたらしく行き止まりに追い込まてしまった。引き返してもよかったのだが、このまま獣道を進むことにしたのです。遠くには畑も見えているので尾根を下ることにしました。足元は落葉や枯れ木の枝などがありますが、そんなに不自由ではありません。途中所どころシダ類が生えており、またクモの巣が時折顔面に張り付いてきます。気分のいいものではないのですが…。どのくらい進んだかわからないけど、やっと右手の谷に田んぼが見えたりしているうちに畑に出てきたのです。

海岸を眺めたもの  その畑に出ると、農家の人が三人いてオーギ剥きをしる最中。みんなびっくりしたような表情をしていましたが、快く声をかけてくれ、私も安心してしばらくみんなと話をすることに。「どうやって、来たの?」とか、「どこから来たの?」と聞かれましたが、「山歩きは好きなんだよ」とか言うとみんな笑ってうなずいてた。私が出た畑は、ちょうど中種子町との境界線の場所だったのです。しばらくお話をした後、先へ向うことに。

 畑の小路を道路に向かうと、そこから眺める海は白波が立ち絵になる眺め。道沿いには、早くもスイカズラが白い花びらを咲かせ心いい匂いを振りまいています。ミヤコグサ、カラスノエンドウ、ウマノアシガタ、ジシバリ、キツネアザミ、ムラサキカタバミなど代表的な草花が咲き乱れています。また、トチノキ、ゲットウ、ヤブツバキ、山ハゼ、クスノキ、トベラなどの樹木もたくさん道沿いにあります。草花や樹木を見ながら国道まで畑や田んぼを眺めながら初春を歩くのは楽しいもの。

深川の大石  国道に出ると、現在、橋の工事をしている付近に出て場所を確認すると、ここから深川神社までは500メートル以上ありそうです。直接潮風に仰がれながら、そして道端の草花などを見ながらです。しばらく進むと、深川入り口の海岸沿いに「深川の大石」が見えています。そして国道沿いに「ふるさと歴史散歩」の立て看板があり、その大石にまつわる話を書いてあります。

 案内板によると、慶安5年(1652年)日逵(にちよう)がお題目を刻んだと言います。石に刻まれた文字を見ると、ほんとうに立派な文字で感心するばかりです。深川の人たちは、この大石を「大石様」と呼んでいるといいます。何といってもこの石の由来は、色んな諸説があるようですが、いずれもこの大石のところで、人が不自然な死に方をしていたので、その供養のため法華題目を刻んだと言われています。私もこの大石を写真に収めていますので、拝礼することに。この大石のところから神社はすぐそこです。約2時間半の散策ももう終わりです。

※散策日:平成18年4月8日/8:20〜11:00/快晴
オーギ〜サトウキビ

十三番〜深川の地図十三番」(古田)気象レーダー入口をスタート←写真1枚目

テレビアンテナ塔裏を通過←写真2枚目

三叉路をまっすぐ通過

山道が途絶える

小さな獣道を通過

サトウキビ畑に出る
↓←写真3枚目
国道58号線へ(下二ツ川橋)

国道58号線を上る

終点の深川入口へ(深川の大石)←写真4枚目