木炭・木酢液(佐々木窯)

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種子島の炭窯でいち早く木酢を作り出している

最近、種子島で炭焼きを行っているところを多く見かけるようになってきました。年々木炭の需要は増加しているようです。現在、種子島で何ヶ所存在しているかは分かりません。しかし、種子島の炭窯でいち早く木酢を作り出している人物が、国上中目にいらっしゃいます。その方は、佐々木昭一郎さんです。七十七歳のご高齢ですが、まだまだお元気な方で、窯に情熱を持っています。

佐々木窯を訪問したのは、平成二十年二月二十三日のことです。窯の中には、既に材木が入れてあり、窯の入口から確認できる状態になっていました。佐々木さんの窯は、八ヒロ窯というそうです。窯の周囲が八ヒロ(約12メートル)あることで呼ばれています。上から見れば、楕円形になっており、巾は4メートル、長さは7〜8メートルくらいです。窯の入口は約80センチあります。

佐々木さんは10月から4月まで、一ヶ月に一回窯焚きしています。寒い時期でないと、窯の中は大変温度が高いので、夏はできないそうです。炭焼きだけでなく、炭焼きの工程から抽出できる木酢も作っています。佐々木窯の木炭は、大変人気があり窯焚きする前から予約で一杯の状態です。

佐々木さんが炭焼きを始めたのは、今から十四、五年前からです。父が炭焼きをやっていたので、見よう見まねで炭焼きを覚えてきたといいます。昔は40人くらい炭焼き人がいたそうで、炭を焼く人は、財産が何もない人で、「炭焼きゴロー」の名前が付いていたということです。国上には親方が二人いて、お金がなかなかもらえずほかの物でもらっていたそうです。そのころは「いいなし」していたとのこと。そんな時期もあったと話していました。現在、国上では佐々木さんだけです。

佐々木さんが炭焼くときに気をつけていることは、出来上がった炭を燃やしたとき、匂いがしないように十分ガス抜きを行っていることです。佐々木窯は、木酢も抽出しており、こちらも人気があるということです。南種子町のJA種子屋久や肥料店などに納入しています。もちろん、佐々木商店でも販売しております。木酢は、虫除けに効果があるとされています。

熊本県の植木は、スイカの産地で有名です。人吉のある業者が薬害を心配して、害のない物はないかということで始めています。人が吸うてもよい農薬はないかと、考えられたのが木酢です。鹿児島では菱刈で始まったといいます。木酢は、もともと北海道大学が元祖といわれています。昔は、馬のひずめの傷に木酢がよく効いたという。また、人の水虫にも効果が高いといいます。何といっても、盆栽、花き園芸、ポンカンなどの柑橘類、そのほかたばこのうどんこ病予防に最も使用されています。

ところで、木炭ができるまでの工程は次の通りです。

材木の切り出し(山での作業で、カシ、マテバシイを120〜180センチに切り倒す)

材木の運び出し

材木を窯の中へ入れる(材木は約7トン)

焚けるように、粘土で窯を詰める

乾燥焚き(3〜4日間、材木の状態で変わる)

火止め・自己燃焼(3〜4日間、ガスが出て材木が自然発火する)
↓→木酢の採集(自己燃焼から3時間後採集始める。一窯で約200リットル採取できる)
自然冷却(4日間)

炭出し

炭を適度な長さに切り袋詰めして完成(約1トン)

木酢液は、犬・猫・虫除け、土壌改良、家庭園芸、生ごみ処理、家畜糞尿の脱臭等に使用できます。なお、木炭や木酢に関することは、佐々木商店にお問い合わせてください。
西之表市国上2142-1
佐々木商店(0997-28-0005)

佐々木さん 佐々木窯 材木の窯入れ
佐々木さん 佐々木窯 材木の窯入れ
窯の火止めが終わり木酢液を片手に、木酢の話や炭焼きのことなど熱心に語ってくれました。 佐々木窯の全体の様子です。左前方にタンクが見えますが、抽出した木酢を寝かせるためのステンレス製のタンクです。抽出した木酢は、約三ヶ月間寝かせていきます。手前の材木は、マテバシイです。樫とマテバシイで木炭を作っています。 写真は、材木を窯の中に入れ終わった状態です。窯の中には、約7トンの材木が入っています。
窯を塞ぐ 乾燥焚き 排水
窯を塞ぐ 乾燥焚き 排水
窯の入口を塞いでいきます。塞ぐ粘土は、他の地域から仕入れた粘土を使っています。使うレンガは約100個です。この作業が終ると、乾燥焚きです。 乾燥焚きは、夕方行っています。そのほうが後の工程がやりやすいということです。乾燥焚き用の薪も生のマテバシイを使っています。 乾燥焚きを行うと、材木の水分が出てきます。窯からの排水溝です。木の匂いがしてきます。
火止め・自然発火 窯の煙突 木酢の抽出
火止め・自然発火 窯の煙突 木酢の抽出
乾燥焚きから丸3日が経つと、窯の中にガスが溜まり、このガスが自然発火し材木が燃焼していきます。 自然発火から約3時間が経過すると、後方の煙突に木酢抽出用の煙路を立てます。自然冷却されて木酢液が流れ出してきます。 後方の煙突で冷却された木酢液がご覧のように流れ出してきます。窯の前のタンクで一時貯めておきます。一窯で抽出できる木酢液は約200リットルです。更に屋外のタンクで寝かせ、タール分を沈殿させます。
窯開け 木炭の切り分け 木酢液
窯開け 木炭の切り分け 木酢液
火止めから7日目、窯の中は自然冷却され温度が下がっています。しかし、窯自体は結構温かさが残っています。温かいうちに粘土を使い、窯の補修を行っています。写真は窯を開けた状態で、約1/3になっています。木炭の表面は、燃焼したときにできる灰です。 出来上がった木炭を外に出し作業部屋まで運び適当な長さに切り落としていきます。粉塵がでるので、換気扇で粉塵を屋外に放出します。木炭の切り落とし、袋詰め、窯出し作業は、家族総出で行っています。 屋外タンクで三ヶ月間寝かせると、タールも沈殿するので、上澄みを取り出し2リットルのペットボトルに詰めていきます。「種子島産」木酢液の出来上がりです。
【撮影場所】
鹿児島県西之表市国上中目佐々木窯
【撮影日】
2008年2月23日〜3月7日(写真情報 10.0〜22.8KB/E-510)