浅川のハマ行事

チンチョウを見事に突き通すと福男になる

【撮影場所】

鹿児島県西之表市現和浅川

【撮影日時】

2022年1月16日(日)/7時37分〜10時20分

【行事場所】

西之表市現和浅川浅浪神社・供養の石

【行事時期】

毎年一月十五日前後、午前八時より

【アクセス方法】

西之表港より県道75号線、広域農道を経由すること約30分。

【行事の説明】

現和浅川地域に伝承されている「ハマ行事｣です。毎年一月十五日前後に、午前八時から浅川の氏神である浅浪神社、公民館土手にある供養の石前で各関係者、地域民により行われています。

ところで、ハマ行事は、｢ハマ祈祷｣、｢町祈祷｣、「初祈祷」とも呼ばれ、種子島の各地域で行われている正月行事です。地域によっては、「先祖祈祷」とも呼んでいます。悪魔を退治し、地域の繁栄、安泰、無病息災などを祈る行事のことです。ここでの特徴は、ワラで作った直径20センチのシブタ(チンチョウ)を転がして、長さ六尺の竹で突き通すことです。シブタを貫通するまで行います。そして、見事貫通させたら、その年は豊年と言われています。そして、その年の福男・福女になります。

午前八時から破魔祈祷神事が始まります。神事が終わると、境界付近に立てる辻札を作ります。また、公民館広場で、「チンチョウ転がし」をするので、地区民に音声を流して知らせます。

いよいよ「チンチョウ転がし」です。東に参列者が並んでおり、南北にシブタを転がす当人がいます。まず、北側から「よか、はま通りよー」と掛け声と同時に、チンチョウを転がします。そして、その珍重をニガダケで作った竹槍で、チンチョウを突きます。見事突きされば、一連のハマ行事が終了です。

写真一枚目は、令和4年のシブタ突きで、見事福男となった栗山実万さんです。突き当てたチンチョウは、家に持ち帰り神棚に供えることにしています。

	浅浪神社です。神事が始まる前に、関係者によりしめ縄に飾り房を取り付けます。
	浅川公民館広場の西側土手にある供養の石です。昔は、何本かあったが、今は1本にまとめられています。この前で、神事と「チンチョウ転がし」を行います。
	浅浪神社の祭壇です。お神酒、果物、野菜、お魚などを備えています。
	午前8時から行われた浅浪神社での破魔祈祷神事です。地域の繁栄、安泰、無病息災などを読み上げています。
	供養の石前での破魔祈祷神事です。写真は、玉ぐしの奉奠です。
	写真は、地域の境界付近、三差路付近に立てる魔除けの辻札を作っている状況です。祈祷札にユズリハ、ウラジロなどを添えて竹に挟み込みます。
	地域の三差路付近に辻札を立てていきます。地域全体で13本設置しています。
	チンチョウ(シブタ)転がしです。これがハマ行事のメーンイベントです。チンチョウを突きやすいように、棒の先は斜めに切ってあり、先は尖っています。これを突き通すまで行います。
	チンチョウ転がしが終わると、参加者にお刺身が振舞われます。塩と米を一緒に食べます。
	令和4年のハマで、年男となった栗山さんの神棚です。チンチョウを大事に神棚に供えていました。
	一連の行事が終わると、公民館でナオライを行います。これから一年の地域の繁栄や無病息災などを語らいます。

　めでた節

一、嬉し目出度の
　　 　　 若松様よ
　　 枝も栄える
　　　　　葉も茂る

ニ、なおも目出度の
　　 　　 思う事叶うて
　　 末は鶴亀
　　　　　五葉の松

三、届け届けよ
　　　　　末まで届け
　　末も始も
　　　　　花のように

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