西之表市伊関浜脇地域に伝承されている舟祝いです。ず〜っと昔から引き継がれています。浜脇漁港は、太平洋に面しており、漁業の盛んな地域でした。明治十八年のカシミヤ号遭難事故の現場となった地域でもあります。漁港付近には、その記念碑などもあります。
舟祝いは、漁の中でもカマス漁の繁栄を祝ったものです。現在の浜脇でのカマス漁は、弁差人(べんざにん)が三人いまして、6〜8月にかけて、毎日午前六時から漁港付近の海を泳ぎまわり、カマスの群れを発見します。そして、群れを見つけるとほかの組合人に連絡し、網を入れてカマスを捕獲します。すぐに港に揚げられ新鮮なうちに午前9時からの競りに間に合うように出しているのです。
その大事な任務になる弁差人の引継ぎを毎年1月2日に行っているのです。それと、カマス漁の豊漁祝いは、元々旧暦の10月15日に行っていましたが、現在はその祝いも含めて1月2日に行うようになったといいます。
舟祝いは、船に大漁旗をつけます。午前10時ごろ漁具倉庫前で、宴会を行います。このとき、干し物のカマスも用意しておきます。一方、公民館では、奥さんたちにより宴会の準備をしています。午前11時になると、公民館で弁差人の引継ぎなどがあります。しばらく宴会を行い、そのあと、「めでた節」を唄います。そのころになると、公民館に集落の人が集まってきます。そして、公民館で、集まった人たちにカマスの干し物を投げ配ります。これが終わると、舟祝いも無事終了となるのです。
写真一枚目は、浜脇漁港にあるエビスでの参拝です。公民館に来る前にお参りします。
写真は、浜脇漁港です。漁船には大漁旗が風になびいています。漁港の北側にエビス神が位置しています。 | |
午前10時ごろから始まった宴会です。各自酒の肴を用意し集まります。しばらく、この場所で、今年の漁などを語らいます。 | |
写真は、公民館での宴会です。無事、弁差人の引継ぎも終わり、今年の漁の繁栄などを語らいます。【平成31年1月2日撮影】 | |
こちらは、奥さんたちの宴席です。ごちそうを前に、話も弾みます。【平成31年1月2日撮影】 | |
昨年は、4回の豊漁でした。写真は、投げ配られるカマスの干し物です。甘塩で乾燥させたものです。このまま焼いて食べると、ご飯にも焼酎の肴にもグッドですね。【平成31年1月2日撮影】 | |
写真は、シュエイです。カマスを投げ配る前に、塩水で場を清めるための竹の笹です。【平成27年1月2日撮影】 | |
お神酒を回します。最初は、小浦組合長からです。このあと、めでたぶしを唄います。【平成28年1月2日撮影】 | |
公民館の外では、集落の人たちや遠くからも駆け付けたという人もいます。今年は、約300のカマスの干し物が投げ配られました。【平成27年1月2日撮影】 |
2020年(令和2年)1月2日(木)、西之表市伊関浜脇の舟祝いを紹介しています。この動画に中には、浜脇漁港での漁船、恵比須神での参拝、漁具倉庫での宴会、組合員の昨年の不漁を語る、カマスの投げ配りなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:舟祝い 伊関浜脇小組合前年の不漁・ひと昔ナガラメのバブルを語る2020年】
2019年(令和元年)1月2日、西之表市伊関浜脇の舟祝いを紹介しています。この動画に中には、浜脇漁港での漁船、恵比須神、公民館での宴会、組合員の抱負、カマスの投げ配りなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:浜脇の舟祝いカマス投げ配りダイジェスト2019年】
2016年(平成28年)1月2日、西之表市伊関浜脇の舟祝いを撮影したものです。この動画に中には、公民館での宴会、組合員の抱負、カマスの投げ配りなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:浜脇の舟祝いカマス豊漁投げ配りダイジェスト】
2015年(平成27年)1月2日、西之表市伊関浜脇の舟祝いを撮影したものです。この動画に中には、恵比須でのお参り、公民館での宴会、集落内放送、カマスの投げ配りなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:浜脇の舟祝いカマスの投げ配りドキュメント】
2013年(平成25年)1月2日、西之表市伊関浜脇の舟祝いを撮影したものです。この動画に中には、大漁旗をつけた漁船、漁港での宴会、公民館での宴会、カマスの投げ配りなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。