おつや口説きなぎなた踊り

おつやの見事な仇討ち姿に感激

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おつや口説き〜仇討ち場面
【撮影場所】
鹿児島県西之表市立山清和神社境内
【撮影日時】
2014年10月25日/13時47分〜13時58分
【奉納場所】
西之表市立山清和神社
【奉納時期】
十月第四土曜日
【アクセス方法】
西之表市街地から車でおよそ四〇分で、清和神社に着きます。

【踊りの説明】

平成二十六年十月二十五日、清和神社願成就で奉納された「おつや口説き」です。おつや口説きは、別名なぎなた踊りです。種子島の各地になぎなた踊りが伝承されていますが、ここ立山から広がっていったといわれています。おつや口説きの由来は次のとおりです。

今から八百余年前、源氏と平氏の争いの中、当時の源氏の武将石山氏の娘「おつや」が、五年前に平家の武将に弓矢で討たれた父親の仇を討つため、京都の東山の清水寺に籠って兵法の稽古に励み、薙刀・小太刀・手裏剣を持って、父の仇である藤島氏を探し求めて、見物人の多い中で見事父の仇を討ち、仇を討つのを見ていた人々も、おつやの見事な仇討ち姿に感激して、籠一竿、金子百両、それとたくさんの人々から心温まる供応を受け、丹波の国へ帰るという筋書きであります。

今回、男衆五人、女衆五人、太鼓一人、鉦二人で奉納してくれました。おつや口説きは、出端(女衆、男衆)、本踊り(仇討ち場面)、引端で構成されています。まず、娘の服装は、頭に白のハチマキと色鮮やかな衣装姿のタスキがけ、右手になぎなたを持ち白足袋を履いています。一方、男衆は、黒のハカマ姿に白いハチマキをして、腰に刀を差し黒足袋を履いています。太鼓と鉦は、唄のそばにいます。

女衆が一列になり、右手になぎなたを持ち、歌にあわせて入場してきます。女衆の入場が終わると、今度は男衆が左腰に刀を差し入場してきます。そして、女衆と男衆とが口上し合い踊りが始まっていきます。写真一枚目は、仇討ち場面のシーンです。大変見ごたえがあります。

なぎなた踊りは激しい動作はありませんが、敵討ちのシーンが再現され、古式床しき時折哀愁も感じられ踊りに感動させられます。おつや口説きは、物語風でたいへん貴重な踊りです。

女衆の入場シーン おつや口説きの出端の様子です。女衆から入場で、なぎなたを左右に振りながら定位置まで前進します。何と言っても立山美人の鮮やかな衣装姿が印象に残ります。これが終ると、男衆の入場です。
歌と鳴り物 歌と鳴り物です。なぎなた踊りの歌詞はかなり長いので、覚えるのに大変な苦労が伴います。しかし、ベテランになると、頭に記憶されています。
女衆 男集が入場する間、女衆は、なぎなたを垂直に持ち静かに入場を待っています。男衆の入場が終わると、女衆の口上が始まります。
男衆の入場シーン 女衆の入場が終ると、男衆の入場です。ハカマ姿で、腰に刀を差し勇ましく入場してきます。
男衆の口上シーン 入場が終ると、女衆から口上が始まり、男衆がそれに答えていきます。写真は、男衆の口上の様子です。
対決シーン 仇討ちの対決シーンです。なぎなたと刀の振り回し方など印象に残ります。対決シーンは、左右に入れ替わったりします。おつや口説きの一番の見所シーンです。
女衆の退場シーン 仇討ち場面が終ると、男衆から退場します。女衆は日の丸の扇子を取り出し、前列より退場していきおつや口説きも終了です。
記念撮影 おつや口説きを踊り終えての記念撮影です。よく見ると、カメラを見てない人もいますよ?
踊り子さんの感想 おつや口説きを踊り終えて、踊り子さんに感想を聞いてみました。今回、初めておつや口説きに挑戦されたそうです。「緊張もしたけど、大変良かった」とお話ししてくれました。
 おつや口説き

女衆(出端)
国を申さば丹波の国よ お名を申さば石山源氏
源氏娘のその名はおつや おつやかねがね思いしことよ
もうし母様もの尋ねあげょう 辺り近所をさるいてみれば
他人の子供にゃ両親あるが わしにゃどうして父親ないか
そこで母様涙にむせて 涙ながらも口説いて聞かしょ
おぜが父様五か年前に お江戸お下り兵庫の射場で
遊ぶ的場に駒乗り込んで 弓矢射こんで討たれし人よ
さらばそうかよ討たれし人か わしに母様五年の暇を
五年経ちても帰らぬ時は わしが出た日を立ち日ととりて
四十や余人の出家をたのみ 回向なるよとしてくりゃしゃんせ
家に帰りて旅装束よ 下にゃ羽二重その上どんす
りんす細帯しっかと締めて 緋のの脚半に真綿の足袋よ
三節こめたる寒竹の杖 菅のお笠でお顔をかくす
三十三番清水寺で 七日籠りて兵法の稽古
稽古するもなそらなになにか
一で手裏剣 二で薙刀よ
三で小太刀をすらーりと抜いたえー
アーヒーヤー アーヒーヤー

男衆
ヨーイーヨーイヨーイー
どこもあること駒のと衆や 二十や八日みな寺詣る
寺に詣りて木陰をとりて うちの小者に駒口とらせ
駒の手綱をーしっかとおーらーえた

女衆(口上)
いかに藤島憶えはないか 源氏娘のおつやでござる
父の仇きじゃ討たねば生らぬ

男衆(口上)
ヤーだれが恥辱で討たれるものか 源氏討ちたもこの太刀よ
汝もいっしょにしもうてやろう

男・女衆
お上様よりご披露がとけて お上様から討たしょとござる
四方四面にもがりが結えて 西と東にご門が立ちて
東ご門はおつやがご門 西のご門は藤島ご門えー

男・女衆口上(仇討ち場面)
討ちてかかれよ受け太刀します
討ちてかかればはっしと受くる
斬りてかかればはっしとさゆる
手者とお手者の戦いならば
習いこんだる手裏剣うてば
運が尽きたか藤島殿よ
まなこくろいでまえうそぶいて
白刃薙刀で首かけ落とす

引端
仇きょ討ちたはおつやじゃないか
そこでおつやは よによろこんで
太刀の先には首突きょぬいて
じゃらうちぼうをかたげてまわる
これをお見やれ見物様も
かごが一竿金子が百両
鶏しょ二人でお下りなされ

2014年(平成26年)10月25日、西之表市立山清和神社の願成就で奉納された「おつや口説き」を撮影したものです。この動画に中には、おつや口説きの入場、本踊り、退場、踊り子の感想を収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の郷土芸能:立山のおつや口説き清和神社での奉納踊り 踊り子の感想付き

 

【過去の画像】

おつや口説き〜出端 2008.10.25
おつや口説き〜本踊り 2008.10.25(清和神社にて)
おつや口説き〜本踊り 2008.11.23
おつや口説き〜本踊り 2008.11.23(かんしゃ祭にて)
2014.10.25〜