現和田之脇地域に伝承されている「ハマ行事」です。毎年一月十五日前後に、午前八時から田之脇の氏神である浜松神社、海岸の小高い場所にある魚供養の石前で各関係者により行われています。
ところで、ハマ行事は「ハマ祈祷」、「町祈祷」、「初祈祷」とも呼ばれ、種子島の各地域で行われている正月行事です。地域によっては、「先祖祈祷」とも呼んでいます。悪魔を退治し、地域の繁栄、安泰、無病息災などを祈る行事のことです。ここでの特徴は、ワラで作った直径25センチのシブタ(チンチョウ)を転がして、手作りの弓矢で突くことです。シブタに当たるまで行います。そして、見事矢が当たると、その年は豊年と言われています。そして、その年の福男になります。
午前八時から神社拝殿内で、破魔祈祷神事が始まります。神事が終わると、海岸の破魔場に歩いて移動します。そこで、魚の供養碑の前で祭典を行い、そのあと、傾斜地で「チンチョウ転がし」をします。
いよいよ「チンチョウ転がし」です。供養の石前にシブタを転がす当人がいます。まず、供養の石前から「よか、はま通りよー」と掛け声と同時に、チンチョウを転がします。そして、ニガダケで作った弓矢で、チンチョウを突きます。見事矢が当たれば、一連のハマ行事が終了です。
写真一枚目は、令和6年のシブタ突きで、見事福男となった人です。突き当てたチンチョウは、家に持ち帰り神棚に供えることにしています。
浜松神社です。神事が始まる前に、関係者によりしめ縄に飾り房を取り付けます。 | |
漁港近くの海岸の少し見晴らしの良い場所にある供養の石です。現在、三つの石が立っています。この前で、神事と「チンチョウ転がし」を行います。 | |
浜松神社の祭壇です。お神酒、果物、野菜、お魚などを供えています。 | |
午前8時から行われた浜松神社での破魔祈祷神事です。地域の繁栄、安泰、無病息災などを読み上げています。 | |
供養の石前での破魔祈祷神事です。写真は、玉ぐしの奉奠です。 | |
地域の境界付近、三差路付近に立てる魔除けの辻札と手作り弓矢です。辻札にユズリハ、ウラジロなどを添えて竹に挟み込みます。なお、祈祷札は神事を終わると、竹に挟み込みます。 | |
地域の境界・三差路付近に辻札を立てていきます。地域全体で6本設置しています。 | |
チンチョウ(シブタ)転がしです。これがハマ行事のメーンイベントです。チンチョウを突きやすいように、矢の先は斜めに切ってあり、先は尖っています。これを突き当てます。写真は、突き当たった瞬間です。 | |
公民館では、ナオライの準備をしています。写真は、お吸い物を器に注いでいる状況です。 | |
ナオライで出される食べ物です。お吸い物、お刺身、煮しめなどです。 | |
一連の行事が終わると、公民館でナオライを行います。これから一年、地域の繁栄や無病息災などを語らいます。 |
2024年(令和6年)1月14日(日)、西之表市現和田之脇浜松神社・供養の石前で行われたハマ行事を紹介しています。この動画の中には、準備、神社及び供養の石前での役員及び当人出席によるハマ行事祈祷神事、地域の三差路・境界付近に立てる辻札の設置状況などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:現和田之脇のハマ行事 準備・浜松神社・供養の石前での破魔祈祷神事・魔除けの辻札設置令和6年1月14日】
2024年(令和6年)1月14日(日)、西之表市現和田之脇浜松神社・供養の石前で行われたハマ行事を紹介しています。この動画の中には、供養の石前でのシブタを転がして弓矢で突き当てる様子、田之脇公民館でナオライの準備をする様子、出された料理、ナオライでの集落長のあいさつ、乾杯、出席者の今年の抱負などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:現和田之脇のハマ行事 供養の石前でのシブタを転がして弓矢で突き当てて福男、ナオライ、今年の抱負を語る】