なぎなた踊り団七口説

敵討ちをハヤシたてるかのようにシーンもあるなぎなた踊り

なぎなた踊りの本踊り
【撮影場所】
鹿児島県熊毛郡南種子町島間向方神社
【撮影日時】
2019年10月6日(日)/13時20分〜13時32分
【奉納場所】
南種子町島間岬八幡神社、向方神社
【奉納時期】
隔年11月15日(岬八幡神社)、10月中旬(向方神社)
【アクセス方法】
南種子市街地から国道58号線を下ること、約15分で岬八幡神社に着きます。

【踊りの説明】

岬八幡神社の秋季大祭で奉納された田尾公民館の皆さんによるなぎなた踊り(団七口説)です。娘が七人、団七武士が七人、太鼓三人、小鼓二人、鉦二人の合計二十一人で踊りを披露してくれました。

なぎなた踊りは、しゃかとう村の百姓父与太郎の娘姉妹が団七武士への敵討ちの様子を踊ったものです。したがって、団七武士と娘姉妹の対決する踊りです。まず、女衆の服装は、頭に白くて長いハチマキと色鮮やかな衣装姿のタスキがけ、右手になぎなたを持ち、白の足袋を履いています。先頭の娘の頭はなぎなたというよりは大きなカマの様ななぎなたを持っています。

一方、団七武士は黒のハカマ姿に白いハチマキをして、腰に刀を差し黒の足袋を履いています。太鼓は艶やかな衣装姿、鉦と小鼓は黒の衣装姿です。前方から、娘が一列になり右手になぎなたを持ち、歌にあわせてゆっくりと入場してきます。女衆の入場が終わると、今度は武士が左腰に刀を差し入場してきます。そして、娘の頭と団七武士の頭が口上し合い、それが終わると本踊りが始まっていきます。

なぎなた踊りは、出端、本踊り、引端から構成されています。また、太鼓の数も多いので、敵討ちをハヤシたてるかのようにシーンも盛り上がっていきます。写真一枚目は、口上を言い合います。互いに口上が終わると、本踊りが始まり戦いを始めていきます。本踊りは、隊列は娘、武士、鳴り物の三列になって、前後に移動しながらの踊り、また、女衆、男衆が入れ替わり対決します。そして、両衆が互い払い切り合って踊りも終了します。そして、武士から退場して最後に女衆の退場で踊りは締めくくられます。

なぎなた踊り娘衆の入場 写真は出端で、娘衆が一列になり入場して、娘の頭が口上します。これが終わると、鳴り物は入場位置まで戻ります。
なぎなた踊り武士の口上 写真は出端で、武士が口上しているところです。これが終わると入場します。
なぎなた踊り団七武士の入場 団七武士の入場です。娘は、なぎなたを右手に持ち、待機しています。
なぎなた踊り娘と武士との口上 娘と武士との口上です。娘は父の仇といい、武士は、父同様切り殺すと言い合います。それが終わると対決シーンが始まります。
なぎなた踊り娘衆 娘衆です。頭は、大きな鎌のようななぎなたを持っています。この部分は、娘衆の水平に移動しながらの踊りです。
なぎなた踊り娘と武士との対決シーン 娘と武士との対決シーンです。交差しながら刀となぎなたがぶつかり合いになる見どころポイントです。
なぎなた踊り終盤の踊り 写真は踊りの終盤で、低い態勢で、お互いに払い合っているところです。これが終わると、なぎなた踊りの本踊りも終了です。
なぎなた踊りの退場 最後は、娘の敵討ちが無事終わり、日の丸扇子を持っての退場です。
 団七口説

(女、口上)
国は奥州坂頭村の百姓、父の仇でまかいずる。

出端(女、歌いながら登場)
国は奥州 坂頭の村よ
与太郎の娘の みやぎとしのぶ
親の仇を 討つとのはまり
五年この 方兵武のけいこ
けいこするのは そら何々か
一で手裏剣 二でなぎなたよ
三で小刀を すらりとぬいて
もうやおにでも のがしはすまい
親の仇の 志賀団七よ
今日は吉日 討たねばならぬ
白刃なぎなた 振り下げいずる

出端(男、歌いながら登場。)
よいよい よい国は
奥州片倉 小十郎
小十郎組下 志賀団七よ
三十一才 長脇ざしよ

(女、口上)
如何に団七殿 奥州坂頭村の城下において、
そなたが討ちし与太郎が娘。
父の仇きじゃ討たねばならぬ。

(男、口上)
ヤー我が位で討たれるものか、
与太郎討ちたもこの太刀と、
一人一人はひまづくし、
二人とも一緒にかかれ、しもうてやろう。

(女、口上)
かぶんはおいてのこと、勝負こそ肝要

本唄(男・女)
おうそれそれと
そこで団七 にこっと笑うて
腰の刀を すらりとぬいて
討ちてかかれば 受太刀ょしましょう
切りてかかれば はっしとさゆる
何ぼしょうても 勝負がつかぬ
明日の日中に 勝負しましょう

すぐにその晩 御披露を申す
御上様より にんきをよせて
朝の六つ時 やらいを植えて
西と東に 御門を立てて
西の御門は 団七御門
東の御門は みやぎの御門

やらいなかばの 戦いならば
あちよこちよと 戦いまわる
今日の日を見れ 九つかしら
もうや自分も よいしょうと思うて
両のまなこを はっしと討てば
運が尽きたか 団七殿よ
まなこくらんで 前うそずいて
親の仇じゃ 今おぼえたか
姉は陣鎌を 早やうちかける
妹なぎなたで 首かけおとす

引端(女、歌いながら退場。)
仇ょ討ちたよ あよううれしさよ
国の殿様 ごほうびをたもる
もうや我が家になー あーかえるはずよ

※ 2019年10月6日(日)、南種子町島間向方神社の秋季大祭で奉納された田尾地域に伝承する「なぎなた踊り」を紹介しています。この動画に中には、なぎなた踊りの出端、口上、本踊り、退場などを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の伝統芸能:なぎなた踊り島間田尾集落向方神社秋季大祭での奉納踊り2019年

※ 2017年11月15日、南種子町島間岬八幡神社の秋季大祭で奉納された田尾地域に伝承する「なぎなた踊り」を紹介しています。この動画に中には、なぎなた踊りの出端、本踊り、退場などを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の郷土芸能:なぎなた踊り岬八幡神社秋季大祭での奉納踊り田尾集落2017年

※ 2015年10月18日、南種子町島間向方神社の秋季大祭で奉納された田尾地域に伝承する「なぎなた踊り」を撮影したものです。この動画に中には、なぎなた踊りの出端、本踊り、退場などを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の郷土芸能:なぎなた踊り向方神社秋季大祭での奉納踊り2015年田尾地域

 

【過去の画像】

なぎなた踊り〜本踊り 2007.11.15
なぎなた踊り〜本踊り 2007.11.15(岬八幡神社境内にて)
2015.10.21〜