フリージア栽培

フリージア栽培で、種子島は、日本一の球根生産地です。特に西之表市でフリージア生産が盛んに行われています。

平成27年度の種子島全体のフリージア生産状況は、栽培面積１８．１２ヘクタール、栽培戸数２９戸です。球根の年間生産量は、島内で約一千万個です。生産額は西之表市で、約１億３千４百万円です。栽培品種は、フリージアのなかでも一番人気のある黄色のアラジンです。

表１　フリージア球根の平成27年度実績

	西之表市	中種子町	南種子町	合計
栽培面積(ha)	15.28	1.5	1.34	18.12
栽培戸数(戸)	4	15	10	29
生産量(t)	8447.4(千球)	6.9	1220.0	-
生産額(千円)	133,688	-	-	-

フリージアの栽培は、十月上旬から親になる球根を植えていきます。そして年が明けると五月上旬ごろから、親の球根だけを掘り出し乾燥させて出荷していきます。フリージアは病気がつきやすく、種球根を消毒してから植えていきます。病気も色々で、葉っぱや花、茎などに発生してきます。

特に厄介なのがアブラムシです。何故かというと、この虫が病原菌を運んでくるからです。植え付けが終わると、初期段階で一〜二回ほど予防をしますが、苗の状態によって予防の回数も変わってきます。出荷するまでは平均で三回ほど予防をするということです。

このフリージア栽培の一番の難点は、連作ができないことです。したがって、年毎に植える畑を変えていかなければいけません。これが作付農家にとって、一番頭を使うところではないかと思います。また、早咲きと遅咲き栽培を行っており、出荷時期の調整をしています。

表2　フリージア切り花の平成27年度実績

	西之表市	中種子町	南種子町	合計
栽培面積(ha)	0.73	0	0	0.73
栽培戸数(戸)	2	0	0	2
生産量(千本)	526.6	0	0	526.6
生産額(千円)	11,200	-	-	-

種子島で黄色のフリージアは、約7割に達しています。一般的に黄色は、アラジンとテキサスという品種があります。アラジンは、二十数年前に出た品種ですが、現在でも根強い人気があります。その原因は、茎がまっすぐに伸びていることから切花として最適というわけです。

アラジンの種子がなかなか手に入らないといわれ、その代わりとしてテキサスを栽培していることもあります。アラジンとテキサスの違いは、茎の長さ(テキサスこそ長い)、茎の色(テキサスがやや黒っぽい)、花びらの厚さ(テキサスこそやや厚い)などです。

現在では、アラジンの種子は、海外からも調達が難しく、自前で確保していると聞きます。

写真一枚目は、平成28年のフリージアじゅうたん畑です。黄色・海老茶・白の三色畑です。この畑の南側にピンク色のフリージアがあります、この花のきれいだったこと。可愛くて、とても素敵でした。動画でお楽しみください。

写真二枚目は、フリージア畑を写しています。ご覧のとおり畑一面鮮やかな花に包まれています。まるでフリージアのじゅうたんです。情熱的な紅色、クールな白、上品な薄紫、鮮やかな黄色などを栽培しています。畑にいるだけで、フリージアの快いクールな香りが楽しめます。

写真二枚目は、開花したフリージアの花を手作業で切り取っている様子です。手前にすでに切り取られた部分が確認できると思います。約1ヵ月後には、球根の収穫が行われるのです。

写真三枚目は、フリージアの収穫作業です。5月になれば球根の出荷が行われます。約1メートル間隔で植えられたフリージアを、トタクターで根を掘りあげている作業です。

　写真四枚目は、トラクターで掘りあげた球根を、人の手によって、球根だけを収穫している作業です。慣れた手つきで、要領よく採取し、手さばきも見事なものでした。この日、収穫作業を20数名で行っていました。なお、収穫しているフリージアは、アラジンという人気の品種です。

写真五枚目は、収穫されたフリージアの球根です。ここで収穫された球根は、持ち帰り選別されます。その中で、一番大きい球根(親)だけを乾燥して切花生産地へ出荷することになります。なお、小さな球根は次の植え付け作業で使われます。

注意】写真のフリージア畑は、フリージア球根生産日本一の清水園芸�鰍ｳんの畑で撮影したものです。

【実績データ提供：西之表市役所・中種子町役場・南種子町役場】