種子島では、青果用、澱粉用、そして、焼酎用の甘藷が栽培されています。その豊富な甘藷で、島内には四ヵ所の焼酎工場があります。西之表市に二ヵ所、中種子町、南種子町にそれぞれ一か所です。焼酎は大きく分けて、コガネセンガンで作られた通常の焼酎、種子島ゴールドで作られた紫芋の焼酎、安納芋でつくられた焼酎があります。
平成24年10月13日(土)、18日(木)、西之表市にある高崎酒造活タ納工場の仕込みの状況などを取材させていただきました。その模様を写真と動画で掲載しています。では、焼酎の処理工程を簡単に説明します。
サツマイモの収穫→トラックで工場へ運ぶ→計量する→サツマイモの投入→洗浄する→適度の大きさにカットする→蒸し器に投入する→サツマイモを蒸す・同時に蒸した米と黒麹菌を混ぜて培養させる→蒸したサツマイモと培養した製麹を水で混ぜ合わせる(もろみ)→熟成タンクに移動させる→約8日間熟成発酵させる→蒸溜させる→冷却すると原酒ができる→不純物を除去する→水を加えアルコール度を調整する→製品タンクに移送する→ビン詰めして出荷
このようになっています。
なお、焼酎についての詳しいことは、高崎酒造活タ納工場(0997-25-0707)へお問い合わせてください。
工場 | 荷下ろし | 安納芋 |
---|---|---|
工場入口から写したものです。大きなタヌキが迎えてくれます。左は倉庫、写真前方が工場・事務所、右に醸成蔵があります。 | 事務所前にトラックスケールがあります。計量した後、コンテナ袋に入った芋の荷下ろしを行います。 | コンテナ袋の中の安納芋(安納紅)です。青果用と違い、かなり大きい安納芋ですよ。 |
芋の洗浄 | 芋のカット作業 | カットされた芋 |
コンテナ袋をコンベアに投入し、金属製の円筒型の洗浄機に入れて、唐芋を回転させながら余分な不純物などを除去します。 | 唐芋を効率よく蒸しあげるために、人手により適度の大きさにカットします。 | 適当な大きさにカットされた安納芋です。これをバケット型コンベアにより蒸し器に入れられます。 |
芋の蒸し器 | 米を蒸す | 培養させる |
写真屋や中央のタンク状のものが蒸し器です。蒸気で蒸すことになります。写真その奥が製麹させる部屋です。厳しい温度管理をしているので、通常は立ち入り禁止となっています。 | 写真は、蒸気で米を蒸している工程です。焼酎作りに適した米を選定しています。(写真提供:高崎酒造様) | 米を蒸し終えると、冷却します。通常は、麹菌が繁殖しやすい35度まで冷却されます。そして、約1日半培養させます。現在、白麹菌を使った焼酎が主ですが、黒麹菌を使った焼酎もあります。(写真提供:高崎酒造様) |
製麹と水と安納芋を混ぜる | 紫芋のもろみ | 蒸留器 |
原料の安納芋が蒸し終わると冷却され、水と製麹を撹拌させながら混ぜ合わせます。安納芋の鮮やかな色が出ていますね。約一日経過したのち、発酵タンクへ移送されます。 | 写真は、紫芋のもろみです。鮮やかな紫色が出ていますね。発酵は、約8日です。(写真提供:高崎酒造様) | 発酵熟成が終わると、蒸留器で熱せられ、その蒸気を水の冷却器を通過すると、焼酎の原酒が出来上がります。最初にできる原酒は、ハナタレとも呼んでいますね。60度から35度程度といわれています。 |
焼酎の原酒 | ビン詰め作業 | 不純物の検査 |
蒸留器から出たばかりの焼酎は、やや透明度がありません。濾過したり、熟成させることにより透明度が上がってきます。 | 熟成が完了すると、いよいよ瓶詰めします。予め、洗瓶機によって、ビンは洗浄されています。ビンに傷がないかなど点検しながら瓶詰め機械に乗せていきます。写真中央がビンに焼酎を入れている工程です。 | ビンに詰められた焼酎は、背後から光を当てて、不純物などが混入していないか、人手により入念にチェックを行います。ここを通過すると、レッテルを張る工程に送られます。 |
ビン詰めされた焼酎 | 箱詰めされて出荷 | 各種の焼酎 |
自動で、レッテルや栓がされると出荷されます。しま茜のレッテルが貼られていますね。 | 瓶詰めされた焼酎は、出荷箱に入れる前に、最終的に損傷などないか、入念にチェックします。そして、箱に入れて出荷します。 | 高崎酒造の製品です。写真中央に、ビン詰めされたしま茜がありますね。このほかにも、二合瓶とかいろいろあります。 |
2012年10月13日(土)、18日(木)安納芋の焼酎仕込の状況を撮影したものです。動画の中には、安納芋の仕込みの状況、ビン詰め作業などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。