平成20年5月24日(土)、種子島開発総合センター内、「昔の生活の様子」に於いて、市内の子供たちを対象とした伝統文化こども教室が行われました。これは「地炉(囲炉裏)の会」が主体となり、子供たちに種子島に昔から伝わる伝統文化を教えていこうとするものです。これから、毎月一回以上開催されていきます。初回は、「端午の節句」についての学習で、約20名の子供たちが参加してくれました。
伝統文化こども教室は、午前9時30分より種子島開発総合センター内、「昔の生活の様子」で行われました。
伝統文化こども教室は、午前9時30分より種子島開発総合センター内、「昔の生活の様子」で行われました。
地炉の会の紹介でこども教室が始まり、そのあと子供たちの自己紹介が行われました。そして、館長より子供教室についての説明や今後の予定などが紹介されました。こういう教室は、他にはないとのことで、全国的にも珍しいということでした。
ところで、端午の節句とは、男子の節句として親しまれ、元気で強い子供を作るために行われています。奈良時代に中国より伝わり、それが定着した風習になっています。各地の神社に行き、魔除けの神事が行われ、家庭では、よろい、かぶとを床に飾り、鯉のぼりが立てられます。現在は、簡素化される傾向にあり、昔に比べたら飾りつけもだいぶ省略されています。では、端午の節句とはどのように行われるのか、簡単に説明します。
@菖蒲刺し
家の軒下に菖蒲の葉を刺して置く。菖蒲には魔除けの力があるとされ、古くから宮廷儀式だったものが、庶民にも伝わり、行われるようになっています。現在では、ほとんど、或いは、まったく見られなくなっています。なお、こども教室では、菖蒲のほかに、ヨモギの葉も一緒に刺されていました。
A鯉のぼり
鯉のぼりは、江戸時代中期に男子の健康と出世を願って立てるようになってきました。もともと、中国には、鯉の滝登りという竜門伝説(登竜門)があり、立身出世の象徴として尊ばれていました。それが、日本にも伝わり、現在でも登竜門という言葉は、誰でも知っているのは事実です。鯉のぼりに使う竹は、モウソウチクを使い、さおの先に矢車をつけ、その下に、吹流し、真鯉(黒)、緋鯉(赤)の順につけています。
B菖蒲湯
あやめの湯ともいう。菖蒲は、魔除けの力があり、軒に刺したりしますが、湯船の中に葉と根を入れ、身を清めるために行われています。これも現在では、行われていません。
C粽(ちまき)
粽は、端午の節句には欠かせないお菓子です。柏餅と同様に「しんこ」生地または葛(くず)で作られます。やはり粽は魔除けとされ、茅(ち)の葉で包むので、「ちまき」というなど、諸説があります。
D柏餅(かしわもち)
柏餅も端午の節句に欠かせません。米粉を蒸し、それをついてつくる「しんこ」をだんごにし、柏の葉で包んだお菓子です。現在、柏餅などはスーパーでも売られています。
通常、五月五日の節句では、ふつ(蓬)餅や普通の白餅をつき、仏壇や墓にも上げ、実家に「礼言い」に行き、そして宴会などを行っています。そのほか、五月は、田植え上がりが行われ、昔は、ウマヤキといっていたといいます。馬耕の前は、ホイトウをしており、馬の足の内側の突起部が腐り、田植え上がりに真っ赤に焼けた鉄棒を当てて焼き治療を行っていたのです。そのウマヤキの日に、みんな集まり、宴会が行われました。そのとき、各家庭からツノマキやカカラマンジュウを持参したという。
床に飾られた、お花、お人形、お菓子です。お花は、「ホタルブクロ」、「ハンゲショウ」です。お菓子は、粽、柏餅、カカラマンジュウです。
粽には、魔除けの菖蒲やふつ(蓬)の葉を刺しています。
中央に地炉があります。それを囲んで「地炉の会」のメンバー、そして、子供たちが座っています。始終和やかな雰囲気の中で、講義が行われていきました。
地炉の会のメンバー紹介や種子島開発総合センターのスタッフを紹介しているところです。
子供たちの自己紹介をしているところです。学校、名前、学年など元気に話していました。
館長によるこども教室の目的、今後の日程、端午の節句についての説明などしているところです。この日、熊本県の菊池市からの観光客も数名、この教室が素晴らしいことだと、しばらく観覧していました。
お菓子についての説明をしているところです。カカラマンジュウ、粽、柏餅などです。
カカラマンジュウを食べているところです。ふつ(蓬)、むらさきいもの二種類を試食しましたが、どれも美味しく出来上がっていました。
試食が終ると、子供たちの質問を受けていきましたが、鯉のぼりに関するものが多かったようです。質問が終ると、無事教室も終了でした。
なお、伝統文化こども教室については、種子島開発総合センター[0997-23-3215]にお問い合わせてください。
※語句の説明など、当日の資料より抜粋しています。