御崎神社の秋季大祭で奉納された西之上西目地域による大踊り(国土安穏)です。ところで、上西目は木原と野尻集落を合せて呼んでいます。大踊りの中でも百姓踊りに属します。
踊りの服装は、頭に花笠をつけるのですが、今回台風あけで強風のため花笠なしの服装です。入鼓八人、そして鉦八人です。またハチマキをした絣衣装を身に着けた太鼓七人がいますので、全体では二十三人の踊りです。安城踊りに比べ太鼓の衣装が違い、白と黒のコントラストがはっきりしています。
大踊りは、入場から退場まで四十五分を超える踊りです。見た目は安城踊りとほとんど変わりません。歌詞も安城踊りによく似ています。基本の隊列は円形ですが、崩しになると垂直になったりします。大踊りは安城踊りと同様、出端、本踊り、崩し、引端の組踊りで構成されており、これを三組踊ります。ただし、二組目と三組目は休憩なく連続して踊ります。したがって、出端、引端は二回です。
今回、御崎神社の秋季大祭での一番庭での奉納踊りとなりました。一枚目の写真は、一組目の出端です。次第に隊列は円形になります。花笠は時計方向に進行、太鼓は反時計方向に進行しながら踊ります。
大踊りの特徴は、太鼓と花笠が二重円で移動しながら踊る時、それぞれの進行方向は正反対に移動していきます。また、全員で唄を唄いながら踊っていきます。「イヨ〜」、「ヨオ〜」とか掛け声が頻繁に出てきます。太鼓や鉦の音が途絶えることもなく、境内に響きわたります。民族的な響きが何とも言えないほど哀愁を感じさせてくれます。
1回目の本踊りです。通常、本踊りは、しつこいくらいの繰り返し踊りです。これに耐える必要があります。そうすることによって、奥深い踊りになるのです。 | |
二重円内側の鳴り物です。入鼓、鉦です。種子島で使われている鉦は小さいので、素朴な音色が特徴です。 | |
軽快なリズムで踊るくずしです。大踊りの最も見どころと言えるでしょう。思わず体を動かしたくなります。 | |
崩しの唄が終わるころから、神社に向かって垂直に並びます。内周の鳴り物同士が交差したりします。引端の踊りといってもいいかもしれません。 |
※ 2017年10月29日(日)、南種子町西之御崎神社の秋季大祭で奉納された上西目集落に伝承する大踊り国土安穏をダイジェストで紹介しています。なお、動画の中には、踊る前の様子、コメント、各大踊りの出端、本踊り、崩し、引端などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の郷土芸能:大踊り御崎神社秋季大祭での奉納踊り上西目地域2017年花笠なし】