古田の願成就は、毎年十月の第三日曜日に行われています。今回の願成就での獅子舞いの奉納は、大分県津久見市上青江の平岩地区から伝承され102年になる踊りとなります。古田の獅子舞いは、平成十六年四月二十日に鹿児島県の指定無形民族文化財に認可されています。種子島での獅子舞いは、この古田地区が唯一で、ここでしか見ることは出来ません。古田中央公民館の前に獅子舞いの案内板がありますので、古田の獅子舞いの経歴を少し紹介します。
明治時代の末、大分県から椎茸の栽培のため古田に移住してきた川野、石井の両氏が住民に伝えたもので、大正三年に天皇ご即位記念として初めて披露されたといいます。それ以来、毎年十月の豊受神社の願成就で奉納されています。
写真でも分かるとおり、天狗一人、獅子二人、猿二人で舞っていきます。獅子舞いのメンバーを紹介すると、黒の羽織にはかまを着て、頭に烏帽子に似た帽子をかぶり、白のハチマキをした笛吹きがニガ竹で作った手作りの横笛を持った十三人がいます。
太鼓は、大太鼓と小太鼓の二つです。それを叩く踊り子が二人いて、派手な飾り付けをして頭にハチマキ、そして白たびを履きバチは二本ずつ持っています。天狗は、紫の着物に派手な飾り付けをして、大きく反り返った鼻の紅色の面をかぶって踊ります。左に刀を差し、右手には軍配を持って踊ります。獅子は紅色の獅子の頭をもつ役と後部の役とで舞います。猿は赤と黒の衣装を着て小さな烏帽子形の帽子をかぶり、白のハチマキをして裸足で踊ります。
神社入口から笛吹き、太鼓、天狗、天狗につく猿、獅子、獅子につく猿の順に笛や太鼓の囃子に合わせて入場してきます。神社拝殿の前まで入場すると、一礼して踊りが始まっていきます。最初は天狗が獅子を茶化していますが、そのうち獅子が怒って天狗に襲い掛かってきます。
激しい争いが続き、そのうち天狗が負けてしまうが、やがて天狗が活気づいてきます。腰に差した刀と右手に持った軍配を上手に操り、獅子を翻弄させていきます。そのうち獅子は力尽きて天狗に降参して踊りは終わります。導化役を担う猿は、天狗と獅子につくが、それぞれの動作の真似をしていきます。時には猿どうし取っ組み合いになったり見物人を楽しませてくれます。写真一枚目は、天狗が獅子に襲い掛かり、翻弄させているところです。
一方、太鼓打ちは、大太鼓、小太鼓を交互に叩いていき、大太鼓を叩いた後、その場を離れ、楕円を描くように小太鼓の場所に戻り小太鼓を叩いて、次に大太鼓を叩き、これを繰り返していきます。獅子舞いに歌詞はありませんが、ところどころで「ホース」という掛け声を出してはやし立てていきます。この獅子舞いは激しい踊りもあり体力も必要な踊りです。感動を与えてくれる郷土芸能です。
舞いが済んだ後、獅子が乳幼児の頭を噛むと魔除けになるといわれています。写真の獅子舞いは、午後に披露された踊りです。古田の願成就は、獅子舞いに始まり、獅子舞いで終わります。見ていてついつい力がこみあげてくる、パワー溢れた踊りに感動させられます。
写真1枚目は、獅子舞いの最初の天狗と獅子のパフォーマンス位置です。この位置から笛が鳴りだして、踊りが開始されます。そして、ホースという掛け声が随所に出てきます。
天狗が獅子を茶化していきます。猿は、天狗、獅子の動作を真似て踊っていきます。次第に、踊りがクライマックスを迎えると観衆からも大きな声援が出てきます。そして、最後は写真のパフォーマンスで獅子舞も終了です。 | |
神社前では、笛、太鼓の鳴り物がいます。手作りのニガダケで作った笛で演奏します。ピ〜、ヒャラ〜、ピ〜、ヒャラ〜と神社境内に響き渡ります。 | |
神社前の太鼓の鳴り物です。太鼓は大太鼓と小太鼓を二名で交互に叩き合います。このあと小太鼓を叩き、続いて大太鼓を叩きます。そして、円弧を描くように移動し、ばちを水平や垂直にしながら太鼓の位置に戻ってきます。これを繰り返していくのです。 | |
獅子舞いにつく猿です。天狗に付く猿と獅子に付く猿です。また、踊る中で猿同士取っ組み合いもあります。これも獅子舞いの重要な見せ場となります。【2013年10月20日】 | |
獅子舞いは、およそ十三分で終わります。踊り終わると、獅子が幼児の頭を噛んでいるところです。噛まれると病気もせず元気な子になるといわれています。獅子に噛まれて泣き出す幼児が続出します。 また、大人でも無病息災を願い、獅子に噛んでもらうこともあります。 |
|
写真は、古田の獅子舞いの原点である大分県津久見市上青江の平岩地区に伝承する平岩獅子舞です。平成25年10月20日、古田に伝承されて100年になるのを記念しての出演舞いです。 | |
平岩獅子舞の鳴り物の笛です。曲調は、非常にゆったりとした動きの遅い舞です。【20013年10月20日】 | |
平岩獅子舞の鳴り物の太鼓です。古田の獅子舞いと違って、児童による太鼓です。大太鼓と小太鼓を巧みに叩き合います。【20013年10月20日】 | |
平岩獅子舞の天狗です。軍配と太刀を持って、ゆっくりした舞を見せてくれますが、後半になると、ダイナミックな踊りも見せてくれます。動画で古田の獅子舞いと平岩獅子舞とを見比べてください。【20013年10月20日】 |
2024年(令和6年)10月20日(日)、西之表市古田豊受神社の願成就で、球古田中学校体育館内での古田獅子舞の奉納踊りを紹介しています。この動画の中には、天狗、太鼓、増え匹の意気込み、獅子舞いの入場、獅子舞いの本踊り、獅子噛み、獅子舞い保存会会長の感想などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の郷土芸能:古田獅子舞令和6年古田豊受神社願成就での奉納踊り】
2023年(令和5年)10月15日(日)、西之表市古田豊受神社の願成就で、神社境内で4年ぶりに復活された古田獅子舞の奉納踊りを紹介しています。この動画の中には、獅子舞いの入場、獅子舞いの本踊り、獅子噛み、獅子舞い保存会会長、太鼓、獅子、天狗の踊り子の感想などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の郷土芸能:古田獅子舞 4年ぶりの復活奉納踊り!古田豊受神社令和5年願成就】
2019年10月20日(日)、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された神社境内での奉納踊り古田獅子舞いを紹介しています。この動画の中には、獅子舞いの本踊り、獅子噛みなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の郷土芸能:古田獅子舞い豊受神社願成就での奉納踊り2019年】
2018年10月21日(日)、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された神社境内での奉納踊り古田獅子舞いを紹介しています。この動画の中には、獅子舞いの入場、獅子舞いの本踊り、獅子噛みなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の郷土芸能:古田獅子舞い豊受神社願成就での奉納踊り2018年】
2017年10月15日、種子島の西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された古田獅子舞いを紹介しています。この動画の中には、聴衆のコメント、獅子舞いの本踊り、獅子噛み、踊り子のコメントなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統芸能:古田獅子舞い豊受神社願成就での奉納踊り2017年】
2016年10月16日、種子島の西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された古田獅子舞いを紹介しています。この動画の中には、獅子舞いの本踊りを収録しています。なお、15分以内に収めるため、一部カットしています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統芸能:古田獅子舞い豊受神社願成就での踊り2016年】
2015年10月18日、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された古田獅子舞いを撮影したものです。この動画に中には、獅子舞いの本踊り、獅子舞いの退場を収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
2014年10月19日、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された古田獅子舞いを撮影したものです。この動画に中には、獅子舞いの本踊り、獅子舞いの退場を収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
2013年10月20日、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された古田獅子舞伝承100周年記念祭の獅子舞いを撮影したものです。この動画に中には、獅子舞いの入場、本踊り、獅子舞いの退場を収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の郷土芸能:獅子舞い(西之表市古田)古田獅子舞伝承100周年記念祭での踊り】
2013年10月20日、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された大分県津久見市上青江の平岩地区の獅子舞いを撮影したものです。この動画に中には、獅子舞いの入場、本踊り、獅子舞いの退場を収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【平岩獅子舞(古田獅子舞いの原点)古田獅子舞伝承100周年記念祭に出演】
2012年10月21日、西之表市古田豊受神社の願成就で奉納された古田獅子舞いを撮影したものです。この動画に中には、獅子舞いの入場、本踊り、獅子舞いの退場を収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。