ヤートセー

魅力ある踊りの瞬間

【撮影場所】: 鹿児島県熊毛郡南種子町下中八幡神社、本門法華宗本善寺、南種子町立花峰小学校
【撮影日時】: 2015年10月25日(日)/9時11分～10時45分
【奉納場所】
: 南種子町下中八幡神社、本門法華宗本善寺、花峰小学校
【奉納時期】: 毎年十月旧暦九月九日
【アクセス方法】: 南種子市街地から県道586号線を経由し、約10分でこの地に着きます。

【踊りの説明】

平成25年度南種子町下中八幡神社及び下中本門法華宗本善寺境内で奉納された下中校区民によるヤートセーです。ヤートセーなどの踊りは、一般的に口説踊りと呼び、種子島の各地に存在しており、中踊りに属しています。各地域によって、服装や踊り方が少しずつ違っています。ここのヤートセーの特徴は、踊り子が全て男性だけで踊ることです。女性が混在していません。

ヤートセーは、一般的に本踊りと崩しの部分から構成されていますが、本踊りのみとなっています。踊りの隊形は一重円の隊列で、始終時計方向に前進しながら踊っていきます。太鼓一人、鉦一人、入鼓一人、そして踊り子は秋季大祭に出席された関係者、花峰小学校児童で構成されています。

踊り子全員合唱しながら進行していき、「ヤートセー｣の掛け声が随所に出てきて盛り上がっていきます。写真は、｢ヤートセー｣の唄が出て、前進を一時止め、外側を向き左手を垂直に曲げ、そのとき右手は左のひじ付近に手を添えて軽く両足を曲げる仕草で、ヤートセーの持つ魅力ある踊りの瞬間です。

	ヤートセーの入場です。鳴り物の太鼓です。太鼓は、踊り連の先頭になっており、入鼓、鉦と続きます。
	ヤートセーの鳴り物の入鼓です。小さなばちで叩くので、素朴な音を発します。その後方は鉦です。
	写真は、下中本門本善寺の境内で奉納されたヤートセーの本踊りです。内周の踊り子は、花峰小学校の児童です。周囲からは、踊りが上手という声が聞かれました。
	写真は、ヤートセーの円形の隊列です。前進を一時止め、外側を向き左手を垂直に曲げ、そのとき右手は左のひじ付近に手を添えて軽く両足を曲げる仕草です。
	写真は、平成25年9月29日、花峰小学校下中地区合同運動会で、地区民によるヤートセーです。ヤートセー先頭の太鼓です。唄に合わせてリズミカルな太鼓を打ちます。(写真～平成25年9月29日)
	下中八幡神社鳥居付近に置いてあるタマシダで作ったシュエイです。夜明け前の早朝、近くの海岸へ行き潮汲みをしてきます。
	神社拝殿で8時30分から神事が行われました。境内には、お神酒とお餅が置いてあります。

　ヤートセー(山神・里バージョン)

国を申さば備前の国よ　備前岡山清佐殿よ
清佐娘にその名はお節　五つ六つからお伊勢に心
親にたびたび暇もらえども　暇をくれねば抜け参りをする
ぬけちゃ参るな暇くりょ参れ　そこでお節は道中の支度
下にゃ白もくその上どんす　帯ははやりしななこの帯よ
三重に回してキチソと結ぶ　足にゃ白足袋　八尾のセキタ
すげの小傘に小杖をついて　ここはどこよと尋ねて回る
ここは大阪新町筋よ　申しこりゃこりゃ宿貸しなされ
宿はかしあぎょ裾ゆぎめされ　裾をゆすいで座敷に上がる
お茶や盃早取り出だす　お膳すませて休んでおれば
武兵衛女房が相談かける　あの娘殺せばよい金取ろうよ
殺せ殺せと武兵衛をせめる　そこでお節が早や目を覚ます
申しこりゃこりゃこりゃ何事よ　金がほしけりゃ50両ござる
衣装がほしけりゃ裸でもなろうよ　それで足りなきゃ備前に飛脚
備前岡山清佐と言うて　西に東に蔵建ちならぶ
長い口説なら踊り子もたいくつ　ここで切りましょ口説の末を

十七、八の秋の野を行けば　小萩もさかる　我もさかる　小萩もさかる　我もさかる
土佐から　船が三ぞうほど参る　先なわ銭よ　中なわ金よ　後なわ土佐のわさ米よ
わさ米ならば　みてひて手ではかれ　とかきもおいて手ではかれ　とかきもおいて手ではかれ
人の嫁女はかみぼうけ　ぼけたこそよかよ
何がよ　今朝のはねことば　何がよ　今朝のはねことば
土佐の小川におこぎに行たら　土佐殿にまようて腰をしめられた
おびをしめきるな　たすきをしめきるな
糸より細きおらが腰をば　糸より細きおらが腰をば

※　2015年10月25日、南種子町下中本門法華宗本善寺で奉納されたヤートセーを撮影したものです。ヤートセーの出端、本踊りなどを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

【種子島の郷土芸能：ヤートセー下中本門法華宗本善寺での奉納踊り】