種子島の主幹作物のさつまいもです。種子島全域で作られています。種子島での栽培状況は、甘藷作付面積1914.66ヘクタール、生産量は38,366.18トンです。平成23年度に比較して、西之表市が2,924トン、中種子町が2,055トン、南種子町が2,385トンなど、計7,364トンの大幅な減少になっています。
西之表市 | 中種子町 | 南種子町 | 合計 | |
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栽培面積(ha) | 760.1 | 699.0 | 455.56 | 1,914.66 |
栽培戸数(戸) | - | 638 | 413 | - |
生産量(t) | 14,480 | 16,175.0 | 7,711.18 | 38,366.18 |
品種別に栽培状況を見てみると、西之表市では圧倒的に安納芋が多くなっています。シロユタカの約二倍もあります。ところが、中種子町、南種子町では原料用のシロユタカが圧倒的に多くなっています。
栽培品種 | 栽培面積(ha) | 栽培戸数(戸) | 生産量(t) |
シロユタカ | 122.6 | - | 2,481 |
シロサツマ | 78.3 | - | 1,584 |
コナホマレ | 3.9 | - | 78 |
ダイチノユメ | 91.8 | - | (澱)1,857 |
コガネセンガン | 26.9 | - | (焼)530 |
ミナミユタカ | - | - | - |
安納芋 | 402.4 | - | 7684 |
種子島ゴールド | 1.1 | - | 17.2 |
その他 | 1.0 | - | 20 |
合計 | 760.1 | - | 14,480 |
全国的に知名度のある安納芋の栽培が急激に、西之表市を中心に増加しています。その影響を受けて、原料用甘藷が減少する傾向になっています。また、種子島ゴールドもこの影響を受け随分少なくなっています。なお、紅サツマの栽培は、ゼロになっているのも最近の特徴です。
栽培品種 | 栽培面積(ha) | 栽培戸数(戸) | 生産量(t) |
シロユタカ | 214 | - | 5,378 |
シロサツマ | 161 | - | 4,033 |
コナホマレ | 107 | - | 2,689 |
ダイチノユメ | 54 | - | 1,345 |
コガネセンガン | 25.0 | - | 417 |
ミナミユタカ | - | - | - |
安納芋 | 125 | - | 2,081 |
種子島ゴールド | 14 | - | 233 |
その他 | - | - | |
合計 | 699.0 | 638 | 16,175.0 |
さつまいもは、三月下旬ごろから苗の植え付け作業が始まります。遅くとも五月には植え付け作業を終えることになります。十月の収穫までは畑の管理作業があります。特に甘藷の場合は、草取りが大変な作業です。暑い時期の作業で、その頃になると苗も十分大きくなっていますので、土壌が見えなくなるからです。しかし、大きくなってからの草取りはほとんどしないようです。
栽培品種 | 栽培面積(ha) | 栽培戸数(戸) | 生産量(t) |
シロユタカ | 298.9 | - | 5,252.1 |
シロサツマ | 51.2 | - | 899.6 |
コナホマレ | 5.5 | - | 96.6 |
ダイチノユメ | 15.6 | - | 274.1 |
コガネセンガン | - | - | - |
ミナミユタカ | 1.0 | - | 17.6 |
安納芋 | 80.77 | - | 1,143.85 |
種子島ゴールド | 2.09 | - | 19.83 |
その他 | 0.5 | - | 7.5 |
合計 | 455.56 | 413 | 7,711.18 |
十月になれば収穫です。現在、種子島には澱粉工場が四箇所あります。西之表に一箇所、中種子に二箇所、南種子に一箇所です。十月上旬ごろから十一月までフル稼働です。どのくらいの澱粉が採取できるかというと、甘藷一キロにつき約〇.三キロの割合です。これは、最新の機械設備で処理した場合です。また、種子島には、焼酎工場も四箇所あります。西之表に二箇所、中種子、南種子にそれぞれ一箇所ずつです。
ところで、種子島には野生鹿がたくさん生息しています。特に雑木林のある地域では、鹿に注しなければいけません。畑の周囲に、鹿が入らないようにネットを張って侵入を防ぎます。さつまいもの苗を鹿が食べてしまうので、さつまいもの農家の方は鹿対策が必要です。
さつまいもの栽培には、露地植えとマルチ栽培があります。そのマルチ栽培には白ビニール、黒ビニールの二つがあります。どちらも土壌温度を上げると共に水分を一定に保てることができ、苗の活性化で収穫増を期待できることです。黒ビニールの場合は、光が遮断されるので、雑草が生えてこない特徴があります。特に畝にビニールを張るときは、畝にびっしりと密着させて張らないと雑草が出てきたり、畝と畝との間に根が張っていくとのことです。夏は温度上昇で、根を焼き殺すことがあるので、ビニールを剥いでいきます。逆に、マルチ栽培に向いていない品種は、白サツマと安納紅です。
1枚目の写真は、苗の植え付け作業の様子です。作付面積が多くなると、手作業での植え付け作業は大変な重労働です。中腰になっての作業になるので、農家の人たちは腰を痛めることもあります。自走式の機械を使っての作業です。植えている品種は、白ユタカです。白ユタカは澱粉用甘藷で、種子島でもたくさん栽培されています。
2〜4枚目は、機械によって、植えられた苗の状況の画像です。苗は、機械のつめによって、やや水平方向に押し込まれます。根元部分は、やや上向きになるように植え付けられています。苗が埋め込まれると、つめの後方にある抑えによって、植えられた苗を上から抑え込みます。写真3枚目で、苗の右部分が四角に抑え込まれているのが確認できると思います。
5枚目の写真は、黒ビニールによるマルチ栽培です。植えられている品種はダイチノユメです。最近、農家の間で広まっているさつまいもです。澱粉用の甘藷で、通常のさつまいもより澱粉歩留まりがよいので高価に取引されているとも言います。
6枚目の写真は、電気柵で鹿対策をした露地植え栽培です。種子島には、たくさんの野生鹿が生息しています。苗を植えつけたときに、鹿から食べられないように電気柵を設けているのです。
7枚目の写真は、平成二十年十一月二十三日西之表市市制50周年記念事業「かんしゃ祭」に展示されていた「種子島いも品評会」で受賞したものです。銀賞「安納紅(右)」西之表市長野さん、銀賞「安納こがね(中)」中種子町寺田さん、銅賞「種子島ゴールド(左)」西之表市月野さんです。なお、金賞に輝いた「種子島ゴールド」は、「種子島のイベント写真」の「かんしゃ祭」に掲載しています。
写真8枚目は、澱粉用さつまいものミニハーベスタを使っての収穫作業です。この機械の導入で、家族で作業が可能になったとのこと。作業効率の向上と人件費削減に役立っています。
【実績データ提供:西之表市役所・中種子町役場・南種子町役場】
機械で苗を植え付ける
つめで苗を押し込む
植え付けられた苗
植え付けられた苗の土壌の中
マルチ栽培のダイチノユメ
鹿対策された露地植え栽培
種子島いも品評会での受賞さつまいも
ミニハーベスタでの収穫
2015年6月1日(月)、南種子町島間小平山の永松産業さんの畑で、自走式さつまいもの苗の植え付け機を使っての作業を撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
2014年11月12日(水)、南種子町島間小平山の永松さんの畑で、ミニハーベスタを使っての澱粉用さつまいもの収穫を撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
2012年11月9日(金)、南種子町島間永松さんの畑で、ハーベスタを使ってのさつまいもの収穫を撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。