種子島で栽培されている澱粉用さつまいもは、1305.8ヘクタールです。シロユタカ、シロサツマが主です。生産量は西之表市8071トン、中種子町15459.1トン、南種子町9231トンです。島内には四つの澱粉工場があるので、農家で収穫されたさつまいもは、地区割りされた澱粉工場へ運び込まれ、原料用でんぷんに処理されます。
平成24年11月9日(金)、南種子町島間にある永松澱粉工場のさつまいも処理工程を取材させていただきました。では、さつまいもの処理工程を簡単に説明します。
さつまいもの収穫→トラックで工場へ運ぶ→計量する→ヤードに入れる→石を取り除く→さつまいもの投入→芋を洗浄する→磨砕機で磨り潰す→一次フルイ→二次フルイ→三次フルイ→カス処理→肥料に利用
※1 ※1 ←↓
一次ノズルセパレーター (10t)
↓← フルイ※2
二次ノズルセパレーター (7t)
↓
タンク(不純物の除去)→屋外タンク(一時貯蔵、不純物の除去) →※2
↓
脱水
↓
乾燥
↓
製品
澱粉工場は、このような工程になっています。
甘藷の受け入れは11月いっぱいまで続きます。状況によっては延長されることもあります。今が工場のフル操業が続いています。しかしながら、デンプン用甘藷も減少傾向になっており、厳しい状況になっています。さつまいもの処理の模様を写真と動画で掲載しています。甘藷澱粉に関することは、永松澱粉工場(0997-26-4421)へお問い合わせてください。
さつまいもの収穫 | ヤードに入れる | トラックスケール(伝票の発行) |
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からいも畑では、収穫が真っ最中です。最近は、ハーベスタを使って収穫します。このハーベスタには3人で処理していました。後方に、網コンテナがありますが、約600キロ収穫できます。 | ヤードに入れる前に、トラックごと計量します。その後、ヤードに入れていきます。 | からいもの荷下ろしが終わると、再びトラックごと計量します。重量差で、さつまいもの重量が分かります。これを集計していくと、最終的に期間に持ち込まれたさつまいもの全量が分かります。 |
芋洗い機 | 磨砕機 | 一次フルイ |
ヤードに持ち込まれたさつまいもは、さつまいもの投入量の調節機械を通過し、石などが取り除かれたあと、らせんコンベアで芋洗い機に投入されます。それが写真のものです。写真奥が磨砕機の投入口になります。 | 磨砕機です。機械でさつまいもを磨り潰します。以前は、ローラーに目立てをして、磨り潰していました。 | 磨砕機でつぶされたあと、写真の一次フルイにかけられます。フルイは遠心力を利用し、濾されていきます。 |
二次フルイ | 一次ノズルセパレーター | デンプン |
写真は、二次フルイです。これも遠心力を利用しています。遠心篩です。このあと、三次フルイへ送られます。 | 写真は、一次ノズルセパレーターです。不純物を分離します。毎分4000回転を超える高速遠心分離機です。 | 写真は、三次フルイを通過した後、ここへ流れてきます。また、屋外タンクからもここへ再び流れてきます。 |
往復フルイ | 回転フルイ | 二次ノズルセパレーター |
こちらは、往復フルイです。不純物を分離します。このあと、二次セパレーターへかけられます。 | 写真は、回転フルイです。往復フルイと同様に不純物などを分離させます。 | 写真は、二次ノズルセパレーターです。ここで分離されると、デンプン濃度は約18パーセントになっています。そして、脱水へ送られます。 |
三次フルイ | カス脱水 | 屋外デンプンタンク |
写真は、三次フルイです。最終的な篩で、十分濾されたあと、カスを圧搾機へ送ります。また、一次フルイへ再び濾されたものは送られます。 | 写真は、濾された後のでんぷんかすです。圧搾脱水されます。 | 写真は、屋外のデンプン製品タンクです。二次セパレーターを通過した後、ここへ送られます。タンクは、常時撹拌されており、ここから脱水機へ送られます。 |
カスをトラックに積む | デンプン脱水 | 乾燥・製品 |
カスを脱水した後、トラックへ積み込みます。豊富なミネラルを含んでおり、畑にまいて肥料とします。 | 製品タンクから送られたデンプンは、不純物を除去した後、自動遠心脱水機にかけられます。写真は、脱水されたデンプンの排出しているところです。らせんコンベアにより乾燥場へ送られます。 | 写真は、脱水されたデンプンを蒸気を使って乾燥します。そして、コンテナに入れて製品出荷します。 |
2012年11月9日(金)、永松澱粉工場でさつまいもの処理状況を撮影したものです。動画の中には、さつまいもの収穫、工場への持ち込み、荷下ろし、さつまいもの投入、さつまいもの処理工程などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。