種子島のレザーリーフファンは、花きで初めて「かごしまブランド」に指定されています。オシダ科の常緑性のシダ植物で、原産国は南半球といわれています。種子島では、昭和六十年ごろ南種子町で栽培が始まり、現在では中種子町、南種子町で主に栽培されており、国内では最大の出荷量を誇っています。
西之表市 | 中種子町 | 南種子町 | 合計 | |
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栽培面積(ha) | 0.76 | 4.7 | 10.40 | 15.86 |
栽培戸数(戸) | 7 | 47 | 70 | 124 |
生産量(千本) | 198 | 2,000 | 4,561 | 6,759 |
平成27度実績で、栽培面積15.86ヘクタール、栽培戸数124戸、生産量は6,759千本です。
写真一枚目は、南種子町中之上にお住まいの原さんのレザーリーフファンの園芸ハウスです。南種子町でも一番出荷している方です。収穫作業を行っているところです。その作業と並行して、不要な葉の切り取りも行っています。密集して生えているので、先端部が曲がったり、途中の葉が曲がったりするので、根から切り取るのです。こういう管理作業を行わないと、品質の悪いものができ出荷できないといいます。気温が上昇してくると、新芽が次々と出てきますが、茶色になった新芽は早く処分し、白の新芽だけを残していきます。土壌も深くし、牛糞などの有機肥料を使っています。土壌が浅いと、根が浮き上がってくるので、枯れてしまうといいます。
土壌を見ると、白い粒状の肥料を撒いています。これはHB101という窒素肥料で追肥を行っているのです。原さんはレザーリーフファンを栽培し始めて2008年で約十四年になるそうです。以前は、トケイソウや電照キクなども手がけていたそうです。今は、レザーリーフファンだけ一つに絞り栽培しています。
種子島でのレザーリーフファンは、ほぼ一年中出荷できます。真冬は出荷できませんが、霜に注意しています。その霜対策には、夜明け前早くハウスに来て散水を行っています。霜の管理は、大変苦労を伴います。また、春先になると、予防も欠かせません。一回でも怠ると、害虫から葉を喰いやられてしまいます。
切り取った葉は、水につけ選別作業を行います。レザーリーフファンの大きさは、S、M、L、2L、3Lの五種類がありますが、原さんは主にMと2Lを出荷しています。レザーリーフファンは、一本当り三十〜六十円の単価だそうです。十本を一束にして、箱詰めを行いJA種子屋久農協を通じて火曜日と金曜日に出荷しています。
レザーリーフファンは、一般的にフラワーアレンジメントに使用されることが多く、特に贈り物や結婚式などで需要があります。最近では、寿司屋などの料亭で、小料理の敷物に使われています。シダの匂いと、料理の見栄えが一段と引き締まり、調和が素晴らしいとのこと。
聞くところによると、レザーリーフファンは、外国からの輸入物も多く出回っているそうです。しかし、国産物に比べて、形がよくないこと、弾力性が悪いこと、長持ちしないことなど挙げられます。種子島で栽培されているレザーリーフファンは、マイルドという品種です。緑の葉が美しく、弾力性に富み、長持ちがいい品種です。
写真三枚目は、中種子町増田古房で栽培されている石堂さんの園芸ハウスです。ご家族で収穫作業を行っていました。レザーリーフファンの栽培を始めて8年になるそうです。「天候に関係なく、ほぼ一年中収穫できるのが魅力があります」とお話しされていました。
ちょうど春先になると、レザーリーフファンの繁殖時期でもあります。新芽が土壌から出てきます。その状態が写真四枚目です。
種子島のレザーリーフファンの特徴は、葉の色が深い緑色に染まることです。これによって、市場からの評価も高いといわれています。価格も安定していて、農家にとってはいい状態になっています。
見栄えのいいものだけ選別し、根元から切り取り、まとめて輪ゴムで縛っておきます。これを持ち帰り、さらに選別を行い出荷します。写真五枚目は、収穫されたレザーリーフファンです。
不要な葉の切り取り作業
ハウスの中
レザーリーフファンの収穫作業
レザーリーフファンの新芽
収穫されたレザーリーフファン
※ 2014年4月12日、中種子町増田古房でレザーリーフファンを栽培されている石堂さんの園芸ハウスで撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。