1. ふるさと種子島>
  2. 西之表市の情報>
  3. 学術講演「種子島の方言と鬼ヶ野遺跡」

種子島の語源は「タンという州」のこと...

平成21年6月27日(土)、西之表市種子島開発総合センターにて、学術講演「安城鬼ヶ野遺跡のすべて」・「種子島語の豊かな世界」と題して行われました。安城鬼ヶ野遺跡は、西之表市が誇れる縄文時代草創期(約12000年前)の遺跡で、このほど出土品が鹿児島県重要文化財として指定されています。種子島に生まれ育ち、方言学を専門的に修められた植村雄太郎先生が、このほど「種子島語のゆたかな世界」が南方新社から刊行されています。それを記念して、先生が種子島に来島され種子島開発総合センターで特別講演を行ってくれました。

会場には、たくさんの方が出席され熱心に聞き入っていました。また、講演の前に種子島における皆既日食についてもセンター担当者から説明をしてくれました。なお、安城鬼ヶ野遺跡については、種子島開発総合センターにて出土品を展示しています。種子島の皆既日食、安城鬼ヶ野遺跡、植村雄太郎著「種子島語のゆたかな世界」については、種子島開発総合センター(0997-23-3215)にお問い合わせてください。

会長あいさつ 種子島の皆既日食
会長あいさつ 種子島の皆既日食
松下会長のあいさつです。「種子島が一番のふるさと」だと話していました。 今世紀最大といわれる皆既日食が種子島でも見られます。日食めがねは、種子島開発総合センターでも一枚100円で手作り品を販売しています。
種子島での皆既日食は、太陽が9時35分ごろからだんだん欠け始めてきます。10時40分ごろには、太陽がみか月の形になってきます。そして、太陽が糸みたいになった後、一回目のダイヤモンドリングが一瞬見られ、10時57分門倉岬で皆既日食(約1分30秒)になり、二回目のダイヤモンドリングが見られる。12時20分ごろには元の太陽にもどる。
種子島の皆既日食 講演〜安城鬼ヶ野遺跡について
種子島の皆既日食 講演〜安城鬼ヶ野遺跡について
種子島では南種子町で、皆既日食が見られます。その位置は写真のごとくです。南種子町上立石と種子島宇宙センターを結ぶ直線の南側です。ちなみに西之表市では、99%の日食で糸状になります。 安城鬼ヶ野遺跡は、西之表市安城上之町鬼ヶ野に所在し、標高77メートルの海岸段丘上に立地しています。平成21年4月、鬼ヶ野遺跡出土品のうち石器604点が有形文化財として県指定を受ける。奥ノ仁田遺跡出土品(石器、土器203点)に続き2件目の県指定。
出土した石鏃(やじり)群 出土した斧と砥石
出土した石鏃(やじり)群 出土した斧と砥石
鬼ヶ野遺跡の特徴は、@約1万2000年前縄文時代草創期の遺跡。A多数の遺構(住居跡、石器製作場、土抗、集石、配石など)の検出。B粘土ひもに貝殻を押し付けた隆帯文土器が出土。C300点を超える石鏃(矢じり)など、多量の鮮明な石器類が出土。D石鏃(矢じり)未製品の出土。 ハンマーストーンと砥石の写真です。これにより石器製作や修復の可能性があります。石材は種子島に存在しない、安山岩や黒曜石などが使われ、石器素材の主体をなしています。
検出された遺構 講演〜種子島語のゆたかな世界
検出された遺構 講演〜種子島語のゆたかな世界
鬼ヶ野遺跡で検出された遺構です。遺構とは、家の跡、柱穴、穴、墓、溝、調理場など当時の人々が構築し残した痕跡のこと。写真は調理場の跡です。 植村さんは中種子町出身で、高知県に在住しています。著書には、「種子島語のゆたかな世界」のほか、「種子島方言辞典」もあります。海の中を潜ることが好きで、特に種子島の磯用の「くし」は最高だと話してくれました。その理由は、取っ手のところから7割の位置に曲がりを入れていることです。これによりどんな穴でも奥までくしを入れることができると。
種子島の語源は「タンという州」のこと、種子島の人たちは、愛称を作る力を持っていることなど、会場も笑いもあり始終興味深い内容で語ってくれました。
【撮影場所】
鹿児島県西之表市種子島開発総合センター
【撮影日時】
2009年6月27日/13時34分〜16時01分
2014.3.1〜