ヤートセー〜清左口説(せいざくどき)

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ダイナミックな踊りの中にも艶やかさもある

ヤートセー〜清左口説〜本踊り
【撮影場所】
鹿児島県西之表市現和風本神社
【撮影日時】
2015年10月24日(土)/13時19分〜13時28分
【奉納場所】
西之表市現和風本(かざもと)神社
【奉納時期】
毎年十月下旬の土曜日
【アクセス方法】
西之表市街地から県道75号線を通り、JA西之表農協澱粉工場前の三叉路を現和田之脇に向かって進むと、田之脇漁港に突き当たるので、T字路を右に行くと風本橋が架かっています。橋の手前右手に風本神社があります。約20分でこの地に着くことができます。

【踊りの説明】

ヤートセーの始まりは、昭和二十一年、戦後の闇商売などを取り締まるために南種子町西之の門脇巡査が西俣に来ていた時に、宴席で披露したのがヤートセーで、青年団が教えてもらい踊りつがれるようになったといわれています。ヤートセーの中でも口説き文句に違いがあり、現和西俣地域に伝承されているヤートセーは清左口説というものです。一般的にヤートセーなどは口説踊りといわれています。

男性踊り子の服装は、黒地の衣装姿で手ぬぐいのハチマキをして、色鮮やかなたすきがけ、そして黒の足袋を履いて太鼓や鉦を持っています。一方女性の踊り子は、頭にハチマキ、そして鮮やかな色のたすきがけの衣装姿で艶やかさがひときわ目立っています。

ヤートセーは出端、本踊りと崩し、引端から構成されています。入場はハナ引きの歌にあわせ、前方から太鼓、鉦の囃子にあわせゆっくり入場し、次第に二重円の隊列になっていきます。踊りは反時計方向に前進していき、「ヤートセー」の歌詞が随所に出てきて盛り上がっていきます。写真一枚目は本踊りの様子です。

踊りに派手さはありませんが、静かで優雅な手踊りです。女性も混在しているので、色気のある手踊りを楽しませてくれます。特に種子島のヤートセーの中でも踊りが大きく大変素晴らしい手踊りです。簡単なようで、微妙な手回しが必要な踊りです。手の裁きも大きく分かりやすいのが特徴です。

ダイナミックな踊りの中にも艶やかさも失われていません。哀愁も感じられ、その優雅さがいつまでも印象に残っています。素晴らしいヤートセーを一度ご覧になってはどうでしょうか。

清左口説の出端の踊り子 写真は、ヤートセーの出端の踊り子です。センスを持っての踊りで前進を一時止め、外側を向き軽く両膝を曲げているところです。円形の隊列になっていきます。
清左口説の鳴り物 先頭の鳴り物です。太鼓四人、入鼓四人、鉦三人です。ほかの地域と太鼓の大きさがやや小さいのが特徴です。素朴で絶様な響きが聞こえてくるのです。
ヤートセーの唄い手 ヤートセーの唄い手です。入場、本踊り、退場まで清佐口説の唄を唄います。なお、清佐口説とは、備前岡山の清佐にお節という娘がいて、お伊勢参りに行く途中、大阪での宿泊先で殺されようとするが、金がほしけりゃ五千両はある。着物がほしけりゃ裸にもなるという。大金持ちの娘の話です。
ヤートセーの本踊り 写真は、ヤートセーの本踊りです。右手に手を振り前進していますが、このあと、内側を向き大きく円を描いた後、女性は胸の下くらいで両手を合わせる仕草に移行します。こういう瞬間がヤートセーの見どころでもあります。
ヤートセーの本踊り ヤートセーの踊りの中で、どこの地域でもこの動作が出てきます。ヤートセーの特徴のひとつです。
ヤートセーの本踊り 写真は、「ヤートセー」の 歌詞が出たときに、内側を向き、左手を垂直に曲げ、そのとき右手を水平に左ひじに添える手前の瞬間に入る直前の踊りです。ヤートセーのなかで、一番の見所部分です。
ヤートセーの引端 ヤートセーの引端です。センスを持っての踊りです。入場と同じです。唄の部分では、「やーやーみごと、やらみごと」の歌詞が随所に出てきます。センスを持っての踊りで、前進を一時止め、外側を向き軽く両膝を曲げているところです。これを外側、内側にも繰り返していき、次第に先頭の踊り子から退場して踊りが終了します。

清佐口説

<出端>

長者殿 お館様に お参りやる 槍なぎなたのお供の衆は 又五百人
草木もなびけどお立ちやる 草木もなびけどお立ちやる

<本踊り>

国を申さば備前の国よ 備前岡山清佐殿よ
清佐娘にその名はお節 五つ六つからお伊勢に心
親に度々暇貰えども 暇をくれねばぬけ詣りょする
ぬけちゃ詣るな暇くりょ詣れ そこでお節がよに喜んで
さらばさらばの旅装束よ 下にゃ白無垢その上どんす
帯は流行しななこの帯よ 三重まわしてきちそとしめて
足袋は白足袋八尾の雪駄 菅の小笠に小杖をついて
ここはどこよと尋ねて上る ここは大阪新町筋よ
もうしこりゃこりゃ宿借しなされ 宿は借しあげよすすぎを召され
すすぎすませて座敷へ上がる お茶やお菓子ははや持ち出す
お膳すませて休んでおれば 右兵衛お方が右兵衛をせむる
この子殺せばよい金をとる 殺せ殺せと右兵衛にせまる
そこで右兵衛もその気になりて お節小胸をはしっと打てば
もうしこりゃこりゃ何事か 金がほしいなら五千両はござる
衣装がほしけりゃ裸でもなるよ わしが父様備前の国の
備前岡山清佐と云うて 倉もうち据え十二の倉よ
馬よ馬車よと取こしよ召され これも聞かずにはや刺し殺す
二階に上がりて人樽おろし 鏡を引き上げてお節を入れる
長い口説なら見物人も退屈 ここで切りましょ口説の末を

<引端>

一 上は山 上は山 下は清水で冷やされて
   ひらきかねたよ 桜花かよ 桜花かよ
   やらやらみごと やらみごと
   やらやらみごと やらみごと

二 うぐゆすが うぐゆすが さまがお庭の梅に来て
   花ふみちらす ほそ足で
   大なぎなたで さくと切らばよ さくと切らばよ
   やうやうみごと やうみごと
   やうやうみごと やうみごと


※ 2015年10月24日(土)、西之表市現和風本神社秋季大祭で奉納された西俣集落に伝承するヤートセー(清佐口説)を撮影したものです。この動画に中には、ヤートセーの出端、本踊り、引端などを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の郷土芸能:ヤートセー清佐口説風本神社秋季大祭での奉納踊り2015年西俣地域

 

【過去の画像】

清佐口説〜本踊り 2007.10.27
清佐口説〜本踊り 2007.10.27(風本神社)
2015.10.26〜