西俣地域に伝承されている「ハマ行事」です。毎年一月十五日前の日曜日に、午前十時半より西俣神社隣のハマ祈祷場(八幡様)で、関係者が集まり行われています。
ところで、ハマ行事は「ハマ祈祷」、「町祈祷」とも呼ばれ、種子島の各地域で行われています。地域によっては、「先祖祈祷」とも呼んでいます。悪魔を退治し、地域の繁栄、安泰、無病息災などを祈る行事です。現和西俣では、弓、矢、駒の三つで、今年の吉凶を占っています。十時になると神主により神事が行われます。関係役員は、祈祷場前に正座していますが、そのほかの関係者はその後方にいます。神主の祈祷、祝詞の奏上、関係者の玉ぐし奉納などを行い神事が行なわれます。写真一枚目は、ハマ祈祷場です。お供え物、玉ぐし、お神酒、旬の野菜、旬の魚、餅、塩、そして、弓矢、駒、辻札の竹などです。
神事が終わると、いよいよ今年の吉凶占いが始まります。神社に向って左が矢、右が弓で、弓から駒を転がします。駒は約10センチです。駒を転がす回数は三回です。ちゃんと受け止めた場合は、吉で豊作です。外してしまった場合は、凶、或いは判断不能です。この日、しっかり受け止められたので、「吉」となりました。
吉凶占いが終わると、隣の氏神で宴会が行われます。そして、最後に「めでた節」を全員で合唱し、ハマ行事がすべて終了です。なお、地域の境界などに竹の辻札を差して立てます。
祭壇に積まれたお餅です。各家から集められたものです。5個ずつの13グループからのおもちです。 | |
祝詞の奏上です。西俣地域の安泰、安全、繁栄などを自然とともに読み上げていきます。 | |
関係者による玉ぐし奉奠です。玉ぐしを奉納し、地域の発展、安泰などを祈願します。 | |
チンチョウハマの儀です。弓、矢、コマを使います。なお、弓は引くことはありません。コマを留めるために使用します。 | |
吉凶占いです。左が矢で、右が弓です。弓から「チンチョウのハマ、ハマ、ハマ」という掛け声を出して、コマを転がしていき、左の矢で駒を受け止めます。 今度は矢がコマを持ち、「チンチョウのハマ、ハマ、ハマ」という掛け声を出しながら、コマを転がして、弓が受け止めます。これをくり返し吉凶を占います。三回行うとハマ行事が終わりです。 |
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地域の境界、三差路に魔除けの辻札を設置します。地域外の方に文字を向けて設置します。西俣では、全部で10本立てます。 | |
神社内でのナオライです。その前に、役員によるあいさつがあります。地域住民への感謝や協力のお願いなどです。そのあと、乾杯です。しばらくの間、宴会が行われ、そのあと、めでた節を全員で唄いました。 |
※ 2023年(令和5年)1月15日(日)、西之表市現西俣で行われたハマ行事を紹介しています。この動画の中には、ハマ祈祷場(八幡様)での神事、弓矢とコマを転がしての吉凶占い、当人のコメント、神社でのナオライ、魔除けの辻札の設置状況、参加者の今年のコメント、めでた節の合唱などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【ハマ行事コマを転がし弓と矢でえいっ!と押さえ込むチンチョウハマの儀 令和5年現和西俣〜種子島の伝統行事】
※ 2019年1月13日(日)、西之表市現西俣で行われたハマ行事を紹介しています。この動画の中には、ハマ祈祷場(八幡様)での神事、弓矢とコマを転がしての吉凶占い、当人のコメント、神社でのナオライなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の伝統行事:西俣のハマ行事コマを転がして吉凶占い2019年】
※ 2014年1月12日、西之表市現西俣で行われたハマ祈祷を撮影したものです。この動画の中には、ハマ祈祷場での神事、吉凶占い、神社でのナオライなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。