西之表市役所近くにある本源寺です。ちょうど栖林神社の東側に位置します。本源寺は西之表市の重要文化財に指定されているお寺です。本源寺の正門付近、本源寺境内を写しています。入口付近には、「南無妙法蓮華経」の碑及び本源寺の沿革が刻まれた碑があります。簡単にその沿革を紹介しますと、
本源寺は、文明元年(一四六九年)に第十一代島主種子島時氏が建立した古刹で、寛正六年淡路島出身の日良上人の弘法により、島主がそれまで律宗だったのを法華宗に改めていき、本源寺は種子島家の菩提寺として建立されています。それ以来種子島、屋久島、口永良部島の三島の法華宗の本山になっていきます。当時の本源寺は、現在の広さの約十倍はあったとされています。また、明治初期の廃仏毀釈で取り壊されましたが、明治十六年に再興され、現在に至っています。
本源寺は、自由に拝観できます。階段を上がり通用門をくぐると、正面に拝殿が見えてきます。左側には、江戸時代の終わりごろから明治にかけて、歌会始が行われその紀念碑が二つあります。そして、右には日蓮大聖人の像があります。その後には写真で分かるとおり、本源寺の歴代住職のお墓(紀念碑)があります。何れも西之表市の文化財になっています。
通用門の右側には、大きな鐘があり、毎日、朝夕六時に鐘を鳴らしています。私が住んでいるところからもよく聞こえてきます。本当に味わい深い鐘の音です。本源寺の鐘は、太平洋戦争のとき鉄として拠出され、現在の鐘はその後寄贈されたものだといいます。そして、鐘の前には、鐘にまつわる紀念碑があり、碑文が刻まれています。その中で、鐘の歌が刻まれていますので紹介します。
祇園精舎(ぎおんせいしゃ)の
鐘の声
諸行無常(しょぎょうむじょう)の
響きあり
沙羅双樹(さらそうじゅ)の
花の色
盛者必衰(しょうしゃひっすい)の
理(ことわり)をあらはす
(平家物語)
その鐘の左側には、大きなイチョウがそびえたっています。