えんどうの原産地は、中央アジアから中近東の地域といわれています。日本には、10世紀ごろ中国を渡来して伝わったとされ、さやえんどうは江戸時代にヨーロッパから伝わっています。
種子島の豆類で、多く栽培されているスナップえんどうは、マメ科の植物で、原産地はアメリカといわれています。日本には、70年代導入された新種のえんどうです。
えんどうには、さやえんどうと実えんどうがあります。さやえんどうは、きぬさやえんどうとスナップえんどうがあり、何れもさやと実を食べることになります。実えんどうは、さやは堅いので実だけを食べることになります。通常はグリーンピースと呼んでいます。
表1に種子島でのスナップえんどうの栽培状況を示したものです。栽培面積は30.4ヘクタール、栽培戸数は182戸、生産量は188.7トンです。えんどうの中でもほとんどがスナップえんどうです。
西之表市 | 中種子町 | 南種子町 | 合計 | |
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栽培面積(ha) | 18.7 | 4.9 | 6.8 | 30.4 |
栽培戸数(戸) | 117 | 33 | 32 | 182 |
生産量(t) | 115.0 | 29.4 | 44.3 | 188.7 |
表2は、絹サヤえんどうの栽培状況を示したものです。島内での栽培は、少なく1.76ヘクタールです。
えんどうは寒いのは特によくて、12〜18度が適温とされており、種子島の気温にマッチしています。20度を超えると生育不能になるとされています。
えんどうの種まきは、九月に土壌を十分消毒を行い、肥料も入れておきます。植え付け後50〜60日経過すると、花が咲き受粉はしなくとも自然に実が付くようになります。苗が小さい時に念入りに消毒していきます。このとき害虫でやられると十分成長できないと聞きます。
そして、12月に入ると出荷が始まり、翌年の3月まで続きます。成長期になると、一週間ごとに収穫する必要があります。
西之表市 | 中種子町 | 南種子町 | 合計 | |
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栽培面積(ha) | 1.06 | 0 | 0.7 | 1.76 |
栽培戸数(戸) | 18 | 0 | 9 | 27 |
生産量(t) | 6.0 | 0 | 5.0 | 11.0 |
また、収穫するまでは、害虫管理が特に重要となります。苗床の上に、虫取り用のぴったんこシートを一定間隔で取り付けておきます。このシートに害虫がつくので、種類や数に応じて予防などの対策を行います。クキモグリバエ、スリップス、ウラナミシジミ、ナモグリバエなどの害虫が主です。苗床には、ミラーシートをかぶせており、土壌温度をほぼ一定に保つ役割と、害虫を寄せ付けない役目もあります。
絹さやえんどう・スナップえんどうは高級食材なのです。スナップえんどうは、栄養価が高くビタミンのほか、たんぱく質を多く含んでおり、がん予防の成分もあるといわれています。絹さやは、煮物の角に添えて色添えで使用されたりします。スナップえんどうは、塩で湯がいてマヨネーズをつけてそのまま食べることもできます。また、お正月のおせち料理に添えられることもあります。
写真一枚目は、春村さんのスナップえんどう畑です。現在、スナップえんどうを40アール栽培しています。すでに収穫時期なので、奥様とお二人で、収穫作業を行っています。
写真二枚目は、スナップえんどうの花で純白です。西之表市でのスナップえんどうは、ニムラサラダスナップという品種です。その実を写したものが写真三枚目です。
【資料・実績データ提供:熊毛支庁農政普及課・西之表市役所・中種子町役場・南種子町役場様】
スナップえんどうの栽培
スナップえんどうの花
スナップえんどうの実
※ 2012年(平成24年)12月17日(月)、西之表市下西川迎春村さんの畑で、スナップえんどうの収穫などを撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。