落花生の原産地は、南米ブラジルといわれており、新大陸の発見とともに世界に広まっています。日本には、明治7年、国がアメリカから種を導入し、栽培が行われるようになってきました。一方、鹿児島では、琉球より伝播し、山川に渡り、山川から肝属へと伝わり鹿屋地方の特産物となっていきます。
平成24年の全国での落花生栽培面積は、7,180ヘクタール、生産量は、17,300トンです。鹿児島でのデータは、栽培面積159ヘクタール、生産量264トンです。
西之表市 | 中種子町 | 南種子町 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
栽培面積(ha) | 7.96 | 0 | 0 | 7.96 |
栽培戸数(戸) | 25 | 0 | 0 | 25 |
生産量(t) | 19.0 | 0 | 0 | 19.0 |
落花生は、千葉県が圧倒的な産地で、栽培面積5,450ヘクタール、生産量13,600トン。実に全国生産量の78.6パーセントを占めています。
種子島での落花生栽培は、大正三年春、当時医師だった最上宏氏が、現和校区に医療奉団と同時に、理想の農園を建設し、大正四年三月に鹿屋地方から種子を購入し、現和で四百余戸栽培する計画を、西之表町西町の穀物商中村直次郎氏に持ちかけます。そして、四月に鹿屋より三十五石を取り寄せ栽培します。その年の十二月には、中村氏に倍額の七十石を完済しています。
落花生の栽培品種は、中手豊(ナカテユタカ)、郷の香(サトノカ)です。この二つの違いは、中手豊は、落花生を炒って食べるのに適し、郷の香は、ゆでて食べるのに適しています。
落花生の種子は、三月中旬ごろから植え付けを行い、五月の上旬には、植え付けを終わらせます。黒ビニールのマルチ栽培です。直径七センチの円形に穴をあけて、一粒ずつ、人手によって、種子を植え付けていきます。なお、種子は、鳥よけと腐敗防止のコーティングしたものを植え付けます。七月には、大きく成長し、収穫できるようになります。
写真の落花生は、種子島で多く栽培している「落花生の中村屋」さんの畑です。写真一枚目は、落花生の植え付け作業です。二人一組になって、対面での作業になります。
写真二枚目は、植え付ける種子です。赤くなっているのは、コーティング処理しています。
写真三枚目は、三月に植え付けが終わり、大きくなった苗の状態です。この時期になると、かなり成長し密集しています。茎には、写真でわかるとおり、黄色の花をつけているのです。もちろん、マメ科の植物ですので、花の基本的な形は同じ形をしています。
三月に植え付け作業が終わった落花生は、7月の上旬ごろから収穫できるようになります。南国種子島の暑い日差しを浴びて、成長した落花生。味も抜群になっていますよ。写真の品種は、郷の香です。写真四枚目です。
畑で収穫された落花生は、中村屋さんの作業場へ運び込まれます。まず。収穫された落花生の実を落とします。落とす作業は、写真五枚目左です。落とされた落花生の茎は、家畜のえさとして利用されています。また、写真右での作業は、手作業により実を選別をしているところです。実の入っていないシイラなどを除外します。
選別された落花生の実
↓
実を洗浄する(洗い機にかける)
↓
計量する
↓
鍋で茹で上げる
↓
乾燥させる
↓
計量し袋に入れる
↓
袋詰し冷凍保存出荷する
このような工程で、茹で落花生は処理され店頭に並んでいきます。
写真六枚目は、茹であがった落花生を乾燥させたあと、袋に入れて計量している作業です。この作業を終えると、袋に封をする工程へ運ばれます。
そして、地元のスーパーなどに出荷されていきます。
【実績データ提供:西之表市役所・中種子町役場・南種子町役場】
落花生の種子の植え付け作業
落花生の種子
花をつけた落花生
落花生の収穫
落花生の処理作業
落花生の計量作業
※ 2013年5月9日・3日、西之表市安納の「落花生の中村屋」さんの畑で、落花生の植え付け作業、除草作業、すでに植え付けが済んだ落花生の苗を撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の農業:落花生の植え付け作業(落花生の中村屋さんの畑)】
※ 2013年7月12、14日、西之表市安納の「落花生の中村屋」さんの畑で、落花生の収穫作業や処理作業を撮影したものです。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の農業:落花生の収穫から処理まで(落花生の中村屋さん)】