出来上がった鉄
平成24年2月22日(土)、種子島開発総合センターで、ふるさとまなび〜隊による製鉄実験が行われました。
ふるさとまなび〜隊は、同世代や異世代との様々な交流活動を通して、豊かな人間関係や規範意識、社会性を養うことを目的に、ふるさと(種子島)の自然や文化などを活かした楽しい・充実した教室作りを目指しています。
今回、製鉄実験に使う炉は、横井式の小形炉です。それが写真2枚目です。
円形のオイル缶を使用し、内側に断熱材として粘土を貼り付けて、溶鉱炉は三段重ねで使用しています。この方式は、横井式簡易溶鉱炉といわれています。
出来上がった鉄は、銀色に輝いています。子供たちもかわるがわる金づちで砕いていました。出来上がったばかりの鉄は、銀色に輝いているので、子供たちも簡単に分別できていました。写真1枚目です。
写真2枚目は、製鉄の事前学習です。「鉄の作り方から種子島での製鉄の歴史など」を学習しました。
製鉄の事前学習
横井式の小形炉
写真3枚目は、今回、製鉄実験に使う炉は、横井式の小形炉です。
鉄砲伝来で知られる種子島の歴史の中でも、「古代製鉄」は、特に重要な役割を果しており、製鉄技術がなければ近代武器である火縄銃の完成はなかったでしょう。
種子島(西之表市)での製鉄の歴史は古く、600年以上前から製鉄が行われていたといわれています。幕末まで製鉄は操業されており、古田の製鉄所(10年間)は、大正七年に、また武部製鉄所(3年間)については、明治七年ごろに再び行われていますが、どちらとも短い期間で終わっています。
写真4枚目は、ふるさとまなび〜隊の参加者です。子供から大人まで幅広く参加しています。小形炉の温度が上昇し、安定した様態になり、砂鉄や木炭などを投入できる状態を待っています。
炉を安定させる
砂鉄と貝殻粉の投入
写真5枚目は、 砂鉄と貝殻粉の投入です。砂鉄は、炎が出ている炉の上から投入します。スコップには、貝殻を砕いて粉末にしたものと、砂鉄の不純物をできるだけ取り除いたものを入れています。子供たちは保護用のめがねをつけています。なお、貝殻の粉末は、50グラム、砂鉄は200グラムです。
木炭の投入です。二分間隔で、砂鉄と木炭を交互に投入します。写真は、木炭300グラムを投入しているところです。写真6枚目です。
木炭の投入
ノロの排出
ノロの排出です。砂鉄と木炭の投入が15回になると、一回目のノロを取り出します。炉床にノロ(不純物)が溜まってくるので排出するのです。写真7枚目です。
2回目のノロの取出しです。多くのノロが出てきました。この時「わー」という歓声が上がりました。写真8枚目です。
ノロの取出し
三段部のオイル缶を取り去った状態
材料の投入がすべて終わると、引き続き燃焼させます。木炭が燃焼し、少しずつ減少していきます。写真は、三段部のオイル缶を取り去った状態です。炉穴から見ると、ドロドロになった様子を見ることができました。写真9枚目です。
時間が経過すると、木炭もかなり減少してきます。二段目のオイル缶を取り去った状態です。写真10枚目です。
オイル缶を取り去った状態
炉の解体
鉄を取り出すための解体です。炉を倒して、鉄の塊を取り出しているところです。写真11枚目です。
鉄の塊
不純物を含んだ鉄の塊になっているので、金づちで砕いていきます。不純物は簡単に砕かれるので判別できます。写真12枚目です。
平成26年度ふるさとまなび〜隊に関する詳しいことは、西之表市役所教育委員会(0997-22-1111)までお問い合わせてください。
※ 2014年2月22日(土)、西之表市種子島開発総合センター(鉄砲館)で行われたふるさとまなび〜隊「製鉄実験」を撮影しドキュメントとして収録しています。動画に中には、事前学習、製鉄実験の模様などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の体験活動:ふるさとまなび〜隊「製鉄実験」種子島古代製鉄に挑む!たたら製鉄】