最後の砂鉄の投入
平成24年1月21日(土)、種子島開発総合センターで、ふるさとまなび〜隊による製鉄実験が行われました。
ふるさとまなび〜隊は、同世代や異世代との様々な交流活動を通して、豊かな人間関係や規範意識、社会性を養うことを目的に、ふるさと(種子島)の自然や文化などを活かした楽しい・充実した教室作りを目指しています。
今回の教室は、製鉄実験だけでなく、空いた時間を使い、割り箸のゴム鉄砲作りも行いました。
種子島の海岸には、多くの砂鉄があります。昔、製鉄所が稼動していたときには、鉄浜(安城)、能野浜(住吉)、石寺浜(下西)、花里浜(上西)で採取していました。
砂鉄は、鉄分を含んでいますが、多くの酸素と不純物からできています。このため、高温炉の中で、炭素と酸素を結合させて、酸素を分離し、さらに高温度により重い鉄分と不純物を分離させて、鉄を取り出しています。
製鉄実験の最後の砂鉄の投入するところを写しています。このあと、そのままにしておき、炉を冷却させます。写真1枚目です。
円形のオイル缶を使用し、内側に断熱材として粘土を貼り付けて、溶鉱炉は三段重ねで使用しています。この方式は、横井式簡易溶鉱炉といわれています。写真2枚目です。
三段重ねの簡易溶鉱炉
参加者
写真3枚目は、ふるさとまなび〜隊の参加者です。子供から大人まで大勢の参加でした。
写真4枚目は、種子島開発総合センターの和田講師です。テキストを手に取り製鉄のお話を分かりやすく説明してくれました。
和田講師の解説
ゴム鉄砲の製作
写真5枚目は、割り箸で作るゴム鉄砲の製作です。割り箸3本、1/2の割り箸2本、1/4の割り箸1本、1/8の割り箸1本です。これを組み合わせ、輪ゴムでしっかりと固定すると出来上がります。
ゴム鉄砲が完成して、見せ合っていました。だいじょうぶかな?出来上がったものをゴムをかけて飛ばす人もいました。写真6枚目です。
ゴム鉄砲が完成
小形炉の温度も上昇
小形炉の温度も上昇し、安定した様態になっており、砂鉄の投入もできる状態になっています。砂鉄は、炎が出ている炉の上から投入していきます。貝殻を砕いて粉末にしたものと、砂鉄の不純物をできるだけ取り除いたものを入れます。なお、貝殻の粉末は、50グラム、砂鉄は200グラムです。写真8枚目です。
スコップの中に入れた貝殻の粉末と砂鉄を炉の上から投入しているところです。このとき、子供たちは保護用のめがねをつけています。写真8枚目です。
貝殻の粉末と砂鉄を投入
木炭を投入
二分間隔で、砂鉄と木炭を交互に投入していきます。木炭300グラムを投入しているところです。写真9枚目です。
砂鉄と木炭の投入が15回になると、一回目のノロを取り出します。炉床にノロ(不純物)が溜まってくるので排出します。写真10枚目です。
ノロ(不純物)の排出
最後の砂鉄の投入
製鉄実験の最後の砂鉄の投入するところを写しています。写真11枚目です。
2回目のノロの取出しです。多くのノロが出てきました。出てきたノロを皆一同に見ていました。出てきたときには、「ワッ!」と歓声が上がるほどに。見事なノロでした。写真12枚目です。
ノロ(不純物)の排出
下の炉を冷却
2段目、3段目の炉を解体し、下の炉を冷却しているところです。このあと、炉の中から鉄の塊を取り出していきます。写真13枚目です。
炉を倒して、鉄の塊を取り出しているところです。手前の塊などが不純物を含んだ鉄の塊です。写真14枚目です。
鉄の塊を取り出す
鉄の塊を水で冷却
取り出した鉄の塊は、水で冷やされます。ものすごい湯気と同時に、ぐたぐたという音も発しました。写真15枚目です。
塊を取り出して、鉄の部分を説明しているところです。塊の中で、銀色に白く輝いていました。写真16枚目です。
銀色に白く輝いた鉄
実験で出来上がった鉄
今回実験で出来上がった鉄です。不純物も多く含まれていますが、銀色に輝いているところは、鉄です。
今回、砂鉄を6キロ使っており、約1キロの鉄ができたと推定されます。写真17枚目です。
ふるさとまなび〜隊、製鉄実験、割り箸鉄砲についての詳しいことは、種子島開発総合センター(鉄砲館)(0997-23-3215)にお問い合わせてください。