ウミガメの放流記録
中種子町立岩岡小学校では、毎年8月に「ウミガメ放流」を行なっています。昭和54年から行われており、30年以上続いている伝統行事になっています。平成26年8月21日(木)、夏休みの出校日に近くの長浜海岸で、児童14名によりウミガメ90匹が放流されました。今年はふ化が遅く、予定の8月1日に間に合わなくて21日の放流となりました。
岩岡小学校は、東シナ海に面し中種子町屋久津の県道588号線から少し東に入り込んだ位置にあります。児童は22名で、そのうち4名は留学生です。ところで、長浜海岸は、種子島で一番長い砂浜で約12キロあり、屋久津は長浜海岸の最南端に位置しています。毎年、100頭を超えるウミガメが長浜海岸に上陸し産卵しています。
ウミガメの採卵は、5〜6月に行い、合計373個をふ化させています。8月9日〜87、8月12日〜11、8月14日〜74、8月15日〜12、8月16日〜15、8月21日〜90匹の放流です。授業を終えたあと、ウミガメの入ったタライを軽トラックで海岸まで運ぶとともに、子供達は海岸まで歩きます。夏休み期間中、教頭先生は、ウミガメの世話をし、えさをやったり、水変えなどを行ない大事に育ててきました。
真1枚目は、ウミガメの放流記録です。8月9日に87匹、12日に11匹、14日に74匹、15日に12匹、16日に15匹、そして、21日に86匹の放流です。ただし、15匹は、留学生のために残しておき、後日留学生によって放流されます。
写真2枚目は、学校の東側に2メートル四方のふ化場を作っています。ウミガメは、一回に100〜150個の卵を産み、ふ化するまでに60日を要します。
ウミガメのふ化場
ふ化したウミガメ
写真3枚目は、タライの中のふ化したウミガメです。体長は約10センチです。種類はアカウミガメです。オス、メスの区別は、よく見ても分かりません。
写真4枚目は、写真は、岩岡小学校の北側にある長浜海岸です。写真中央右寄りの場所の砂浜からウミガメを放流します。長浜海岸の最南端部で、砂浜が終わる位置です。付近の海岸では、サーフィンもできる場所となっています。
ウミガメを放流する海岸
校長先生のお話
写真5枚目は、ウミガメを放流する長浜海岸です。校長先生が、ウミガメを放流するために長浜海岸にやってきたこと、ふ化状況、県内にはウミガメの保護条例ができて、産卵した卵は捕ってはいけないことなど子供たちにお話していました。
写真6枚目は、児童によるウミガメについてのお話です。ウミガメのふ化状況や放流された後20年後大きくなってこの長浜海岸に帰ってきてほしいことや帰ってくるときは、32歳になっていることも話してくれました。よく、ウミガメのことを調べていました。
児童によるウミガメのお話
1人二匹ずつ放流
写真7枚目は、低学年から放流です。1人二匹ずつ取って、放流します。大事に持ってあげないと、ふ化したばかりなので、体全体が柔らかいのです。
写真8枚目は、子供たちがウミガメを持って放流しようとしています。ふ化して間もないので、優しく持ってあげないとやわらかいのです。今回、留学生4人は参加していません。後日、留学生により15匹放流されるとのことです。
ウミガメを持って放流!
全員で放流!
写真9枚目は、波打ち際の近い場所での放流です。ふ化して間もないので体力もありません。よちよち歩いて、海に向かっていきます。せっかく、海の中に入っても、波の力で戻されたりします。ウミガメには、これから、色々な試練が待ち受けています。「がんばれよ!」と子供たちも声をかけたりします。
写真10枚目は、ヨチヨチ歩いていますが、時折波が来て一気に海へ流されたりします。しかし、押し波によって、再び戻されたりします。ウミガメも大変です。
放流されたウミガメ!
海に向う
写真11枚目は、海に向って進むウミガメです。慣れない歩きですが、波が来ると転んだり、流されたりして母なる海へ帰っていきました。ウミガメが見えなくなるまで、子供たちも心配です。ここへ再び産卵に来るときには、子供たちも30才を超えていることでしょうね。放流した後、子供たちはしばらく海を見つめていました。
放流の感想
写真12枚目は、写真は、無事、放流が済んで、感想を聞かせていただいているところです。楽しかったことやウミガメの赤ちゃんが無事海に戻ってくれたことなど話してくれました。放流したウミガメは大きくなったら、きっとこの海岸に帰ってくるよ。
なお、ウミガメ放流体験及びたねがしま留学生の詳しいことは、中種子町立岩岡小学校(0997-27-0241)へお問い合わせてください。
※ 2014年8月21日(木)、中種子町立岩岡小学校ウミガメ放流体験を取材したものです。学校でのウミガメ、長浜海岸での放流の模様、児童の感想などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。