魚を大きいタモですくう
種子島の各地で、定置網漁は行われています。定置網漁とは、網を一定の場所に固定し、魚群を漁具内部に滞留させる仕掛を持つ施設のことで、毎日その魚を「網起こし」により取上げ漁を行うものです。
平成24年4月14日(土)、中種子町熊野漁港沖合いにある定置網漁に同行させていただきました。その漁の模様を掲載しています。
今回、同行した熊野の定置網は、熊野の権現山の沖合い約500メートルの位置にあります。この付近の水深は、25メートルです。これより少し北側では、23.5メートルです。漁は、毎日行っており、午前5時30分ごろ出漁しています。
定置網漁の取材は、今回初めてです。初めてというより、生まれて初めて漁の模様を目のあたりにしました。写真1枚目です。
写真2枚目は、専用船に曳航されながら魚場へ向かう補助作業船です。この作業船には二名乗っています。
補助作業船を曳航する
網を引き上げる
写真3枚目は、魚が滞留している網を引き上げているところです。滞留した魚を逃がさないように網の引き上げには、慎重を期して行います。
昔は、全てが手作業で、エンヤコラショと声を掛け合いながら、網起こしを行っていましたと話されていました。昔の網は軽かったそうです。今は、網が重いために手作業では不可能で、油圧のスピンドルで巻き上げています。それが、写真4枚目です。
網を油圧スピンドルで巻き上げる
沖合いの補助作業船
沖の補助作業船には、二人乗船していまして、船を横向きにしながら、網を引き上げていきます。作業船との連係プレーが必要な定置網漁です。それが、写真5枚目です。
漁場へ着いて網起こしを始めてから、約34分で漁ができる状態になってきました。それが、写真6枚目です。たくさんの魚が激しく動き回っているのです。
漁ができる状態になった
しぶきを上げて激しく逃げ回る魚
次第に網が起こされるようになると、網の中の魚がしぶきを上げて激しく逃げ回ります。写真7枚目です。
魚をすくう大きいタモは、クレーンで巻き上げながら水揚げします。大小のコンテナに入れて、ある程度仕分けを行います。それが、写真8枚目です。
大小のコンテナに入れて仕分けする
魚を大きいポリ容器に移す
この時期は、たつくり(サバの子)、メコン、カマス、飛び魚、そして、サバなどが水揚げされています。写真9枚目は、コンテナに入ったたつくりをポリ容器に移す準備をしているところです。
無事、網起こしが終わると、引き上げた網を元通りの位置に返しておきます。それが、写真10枚目です。
網を元通りの位置に返す
ほっとした表情
漁場へ着いて約1時間の漁が無事終わり、ほっとした表情で、港へ戻っていきます。天気も回復し、お日様も照りつけてきました。写真11枚目です。
写真12枚目は、熊野漁港へ向かっている作業船です。出港時は、少し薄暗かったのですが、東の海側は、だいぶ明るくなっていました。
港へ戻る作業船
獲れた魚の陸揚げ
港へ戻ると、陸には漁を待っていました。獲れた魚のコンテナを陸揚げします。それが、写真13枚目です。
陸には、仕分け用の作業台があります。それに獲れた魚をのせて、魚の種類ごとに仕分け作業を行います。それが、写真14枚目です。
魚の仕分け作業
魚の計量
仕分けされた魚は、発泡スチロールのとろ箱に入れて計量します。計量が終わると、浜山水産のネームが入ったラップを掛けて、トラックに積み込み、西之表市の種子島漁協の九時の入札に間に合うように運搬されていきます。写真15枚目です。
夏になると、種子島は台風シーズンになります。定置網漁は、六月下旬ごろまで行い、漁具を撤去します。そして、秋に漁具を設置し、再び漁が始まるのです。
なお、熊野の定置網漁についての詳しいことは、種子島漁業協同組合中種子支所(0997-27-9215)までお問い合わせてください。
※ 2012年5月12日(土)午前5時30分より、中種子町熊野の沖合いにある定置網漁に同行し、そこで働く人々の様子を撮影したものです。動画の中には、出漁、網起こし、漁の仕分けなどの模様を収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。