アクセサリー完成〜記念撮影
平成24年1月28日(土)、南種子町研修センター二階会議室において、「古代体験講座 ヤコウガイでアクセサリーを作ろう」が行われました。
古代の宝石とも言われているヤコウガイのアクセサリーを作る体験講座です。
ヤコウガイは、装飾細工に使われる美しい真珠層を持つ貝で、古代から貴重な交易品として取引されてきました。
今回、ヤコウガイ細工の第一人者として知られる池村茂さんを講師としてお呼びし、アクセサリーの製作やヤコウガイの魅力などをお話してくれました。
写真1枚目は、参加者、池村先生、坂元先生など全員での記念撮影でした。
写真2枚目は、ヤコウガイで作られた、ネックレス、かんざし、くし、手輪など大変立派なものばかりでした。
ヤコウガイの作品
アクセサリーの製作
写真3枚目は、今回、参加者が自由に選んで作るアクセサリーのヤコウガイです。予め、下加工してあります。
写真4枚目は、池村先生のお話を熱心に聴いている参加者です。
池村講師のお話
講師の紹介
講師の池村先生は、徳之島町で「工房海彩」の代表です。坂元先生は、曽於市で「美ブライダル愛」の代表です。写真5枚目です。
今回の講座は、@14:00〜16:30⇒ヤコウガイ細工の歴史、アクセサリーの製作、A17:00〜18:00⇒ヤコウガイってどんな貝?、ヤコウガイ細工の製作方法などです。
写真6枚目は、スライドによるヤコウガイ細工の歴史の講座です。国指定史跡、小湊フワガネク遺跡についての説明で、発掘調査のスライドです。小湊フワガネク遺跡は、6〜8世紀のものであることが解っています。建物跡、土器、鉄器などが出土し、貝製品を生産する遺跡であることが大きな特徴です。
小湊フワガネク遺跡の発掘調査
イモガイ製貝札
写真7枚目は、その遺跡の出土品で、イモガイ製の貝札です。
写真8枚目は、ヤコウガイの加工場跡です。ヤコウガイの貝殻がたくさん出てきたのが大きな特徴とのことです。
ヤコウガイの加工場跡
ヤコウガイ製貝匙
写真9枚目は、完全な形で出土したヤコウガイ製貝匙です。
種子島南種子町の国指定史跡「広田遺跡」からも、同じようなヤコウガイ製の貝匙が出土しています。それが写真10枚目です。
ヤコウガイの貝殻が大量に出土した遺跡は、奄美大島でも発見されています。ヤコウガイは、南の暖かい海域でしか獲れない貝です。種子島、屋久島は、ヤコウガイの北限とされています。
池村先生によると、大変貴重なヤコウガイが獲れる海域として、世界遺産にも匹敵すると話されていました。
ヤコウガイをたくさん獲る理由として、もちろん、ヤコウガイの身は美味しいとされていますが、磨けば美しい装飾品として用いられ、また、交易に使われて価値が高かったといえます。
広田遺跡出土ヤコウガイ製貝匙
実験準備完成
写真11枚目は、韓国の古墳から出土したヤコウガイ製貝匙です。広田遺跡の出土品と似たヤコウガイ製貝匙です。大伽耶王陵池山洞(チサンドン)古墳第44号噴出土ヤコウガイ製貝匙です。もちろん、韓国では、ヤコウガイは獲れません。したがって、交易で手に入れたものでしょう。酒杯として副葬されたものと考えられています。
写真12枚目は、奄美市教育委員会の依頼で、池村先生が復元したヤコウガイ製貝匙です。現在、九州国立博物館にて、展示されているとのことです。
復元したヤコウガイ製貝匙
磨いたヤコウガイ貝殻
写真13枚目は、磨いたヤコウガイ貝殻です。美しい神秘的な光を発しています。古代からこの光で魅了されてきたんですね。
写真14枚目は、細工に使うためのヤコウガイのプレートの切り出しです。このプレート一枚分だけで、二万円はするそうです。
平安時代や鎌倉時代真珠でできている大きな貝殻は南の島から運び出されて都の貴族たちのために宝物や装飾品として使われてきたとのことです。
ヤコウガイのプレート
金色堂のヤコウガイ細工
写真15枚目は、世界遺産にも登録されている平泉金色堂に使われているヤコウガイです。極楽浄土を再現した黄金と螺鈿(らでん)の建物です。
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なお、「古代体験講座 ヤコウガイでアクセサリーを作ろう」についての詳しいことは、南種子町役場社会教育課(0997-26-1111)にお問い合わせてください。