平成21年8月1日(土)、種子島開発総合センター内、民具の部屋に於いて、市内の子供たちを対象とした伝統文化こども教室第4回が行われました。これは「地炉(囲炉裏)の会」が主体となり、お年寄りとのふれあいを通して、種子島の昔の行事や伝統・民話などを楽しく学ぶことを目指しています。今回5名の子供たちが参加してくれました。
第4回目となる今回は、「お盆のおはなし」の内容で、昔の種子島のお盆について子供たちが学びました。ところで、伝統文化こども教室は、年間通しての学習が基本ですが、途中からも参加できます。子供たちにとって、いい経験ができると思います。多くの子供たちの参加をお願いいたします。
伝統文化こども教室は、民具の部屋で行われました。会の始まりの言葉は、「きょうは、めっかりもうさん」です。今回、5名の子供たちが参加してくれました。
まず、最初は川村先生がお盆について、分かりやすく、詳しく教えてくれました。種子島では、忙しいことを「盆と正月がいっしょにきた」と表現することや、現在種子島で行われているお盆の様子など話してくれました。
鉄砲館長による、昔の種子島のお盆の様子を資料に基いて、子供たちに教えているところです。なお、子供たち一人ひとりに読んでもらいました。子供たちは、熱心に聞いていました。
川村先生が、ユリの根のことについて、説明しているところです。ユリの根は、舟の形によく似ているため、お盆には欠かせない食材だといいます。このあと、マキの話もしてくれました。
この日、供えられた食材です。左から、白玉ダンゴ、ニガウリ(ゴーヤ)、唐辛子、マキ、ユリの根です。左に盆萩も飾られています。
お盆のおはなしが終わると、白玉ダンゴをみんなでいただきました。ダンゴは、きなこにまぶして食べました。自然な食材であっさりした食感がありました。
民具の部屋を見学された子供たちにもダンゴを差し上げました。あっさりした味で、美味しかったと話していました。
お盆の次は、下村先生による、戦争のお話です。女学生だった頃の西之表市内の様子、増田飛行場建設や古田の野戦病院のことなど話してくれました。写真は、防空頭巾の話をしているところです。
かごの中に、からいもを入れていたことなど話してくれました。子供たちも珍しそうに見入っていました。
昔の種子島のお盆の迎えかた
旧七月一日〜●石塔参り(精霊様があの世からお立になるので、一日から十二日まで毎晩、石塔におまいりする)
七日〜七夕(笹を立てる。お墓参り。餅つき。)
十三日〜●精霊さまを迎える準備(男は盆花採り、墓・家の清掃、水棚作り。女は御器(食器)洗い。餅をつく。)墓に参り、精霊さまを家に連れてくる。墓の入口または家の木戸で迎え火をたく。夜は精霊さまにごちそうを供える。今は、ちょうちんを下げて迎えに行き、墓で火を灯し家に連れてきます。
十四日〜●精霊迎え(餅つき、墓参り、迎え火、供え物)ごちそうを供える(精進物)
●礼いい〜親元へ料理を持っていく。
十五日〜●礼いい(親元に墓参りもかねて、礼言いに行く。)
精霊さまに色々なごちそうを供える。そして、夕方、墓に行き精霊さまを連れて行く。マキやユリの根、ダンゴなどを供える。
十六日〜●送り水まつり、盆踊り(お寺でホトケ送りともいう。寺の庭で、男子だけで、カムキをかぶり踊る。現在、南種子町西之地域で行われています。)
●精進上げ〜この日朝から魚を獲りに行く。
十九日〜●チャイあげ(茶上げ)
南種子町広田では、「チャイ上げ」といって、お祭りを行う。寺の師匠さんのところへ礼言いに行く。
【注意】当日の資料より抜粋しています。
なお、伝統文化こども教室については、種子島開発総合センター[0997-23-3215]にお問い合わせてください。