福祭文(くさいもん)

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その家の幸福と繁栄を祈って祝う福祭文

公民館にて福祭文の練習
【撮影場所】
鹿児島県西之表市現和下之町地域内
【撮影日時】
2012年1月7日(土)/16時57分〜19時58分
【行事場所】
西之表市現和下之町地域
【行事時期】
毎年一月七日、午後五時より
【アクセス方法】
西之表港より車で20分。

【行事の説明】

現和下之町地域に正月行事として伝承されている「福祭文」です。毎年一月七日の午後五時から行なわれています。下之町地域の子供会で構成されています。

福祭文は、種子島の各地域で実施されている正月行事です。正月の神に代わって、各家を訪れ門口から福祭文を合唱して、その家の幸福と繁栄を祈って祝います。そして、合唱が終わると、祝いもちを頂いて帰るのです。最近は、祝いもちの代わりにお菓子や、果物、ご祝儀などを頂くことが多くなっています。なお、前年に不幸のあった家とか、しめ縄が飾っていない家には回りません。

福祭文を読み上げるのが簡単なようで、なかなか難しいものです。微妙な節回しが必要です。また、歌い上げるとき、速くなる傾向があり、ゆっくり歌うのがポイントとなります。子供会では、五時前に集合し、歌の練習をして本番に備えています。福祭文の最初の口上をいう先導役を決めておきます。また、巡回するときには、保護者も同伴し、祝もちなどを集めています。

さて、福祭文ですが、最初は、天神様へ行き、福祭文を行います。それから各家庭を巡回し、最後に公民館で行い、福祭文が終了します。そのあと、公民館で子供たちはぜんざいを食べたり、保護者は宴会を行います。

ところで、福祭文は、各家の門口に来ると、先導役が「年頭のご祝儀申し上げ申す」と言ってから福祭文を歌っていきます。下之町の福祭文は、全員で最後まで歌います。

写真一枚目は、五時から行われた福祭文の練習です。年頭のあいさつをいう先導役も決めておきます。また、歌うときは、速くならないようにゆっくりと歌うことや各家を巡回するときの注意事項も子供たちに話しておきます。

天神様での福祭文 写真二枚目は、天神様(下之町神社)での福祭文です。各家を回る前にここで最初の福祭文を行います。
門口での福祭文 天神様での福祭文が終わると、各家を巡回します。地域の南側から巡回していきます。門口に来ると、先導役が「年頭のご祝儀申し上げ申す」と言って、福祭文を歌っていきます。
門口での福祭文 門口の外では、子供会役員も同伴しています。いただいたお菓子や餅、ミカンなどを持ったり公民館まで運んだりします。
正座して福祭文を聞く 子供たちが、福祭文を行っている間、家のご主人や奥様は、祝い餅や熱燗の焼酎なども準備して玄関で正座し、子供たちの歌う福祭文をじっと聞いています。
家の中での福祭文 家によっては、玄関の中に入って、福祭文を行うこともあります。子供たちが歌う間、じっと福祭文を聞いています。ご主人が、歌ってる途中、「上手い」って、声をかけてくれました。
お礼としてご祝儀を差し出す 福祭文が終わると、子供たちにお礼として祝い餅を差し上げます。ほとんどの家庭が祝い餅の代わりにご祝儀や果物、お菓子などを上げています。写真は、おばあちゃんがご祝儀を差し出しているところです。
お菓子やお餅などを子供たちに差し出す こちらの家でも福祭文が終わると、お菓子やお餅などを子供たちに差し出していました。
焼酎を差し出す 家庭によっては、焼酎も準備しています。寒い時期なので、焼酎も差し出してくれることもあります。
公民館での福祭文 各家の巡回が終わると、福祭文の最後は、公民館です。子供たちは、門松付近で歌います。そのとき、公民館玄関付近では役員がその福祭文を正座して静かに聞いているのです。
子供たち、役員保護者で宴会 福祭文が全て終わると、公民館で子供たち、役員保護者で宴会があります。写真は、先生のあいさつです。今回、初めて福祭文に参加させていただいたことなど話していました。当方もぜんざいなど食べさせていただきました。下之町子供会の皆様お世話になりました。

下之町地域の福祭文の歌詞は次のとおりです。

福祭文

年頭のご祝儀申し上げ申す
イヨ  クサイものじゃ そうろよ
イヨ  いつもよりも今年は
イヨ  門の松がさかえた
イヨ  さかえたものじゃそうろよ
イヨ  鶴と亀が舞い来た
イヨ  舞い来たものじゃそうろよ
イヨ  四方の隅々に泉酒がたたえた
イヨ  たたえたものじゃそうろよ
イヨ  これのごていしゅ様の宝は 三年だわらにそうろよ
イヨ  雪豊年の年ならば祝いこめてそうろよ
イヨ  これにこそじゃそうろよ