福祭文(くさいもん)

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福祭文を読み上げるのはなかなか難しいもの

福祭文
【撮影場所】
鹿児島県西之表市下西川迎地域内
【撮影日時】
2011年1月7日(金)/17時31分〜20時52分
【写真情報】
サイズ[31.5〜44.9KB]、カメラ[Nikon D300+SB-900]
【行事場所】
西之表市下西校区川迎地域
【行事時期】
毎年一月七日、午後六時より
【アクセス方法】
西之表市街地から国道58号線を下ること約3分で、川迎地域に着くことが出来ます。国道沿いの日典寺を目印にするといいでしょう。

【行事の説明】

川迎地域に正月行事として伝承されている「福祭文」です。毎年一月七日の午後六時から行なわれます。川迎地域の青壮年と子供会で構成されています。

ところで、福祭文は、種子島の各地域で実施されている正月行事です。正月の神に代わって、各家を訪れ門口から福祭文を合唱して、その家の幸福と繁栄を祈って祝います。そして、合唱が終わると、祝いもちを頂いて帰るのです。最近は、祝いもちの代わりにお菓子や、果物、ご祝儀などを頂くことが多くなっています。なお、前年に不幸のあった家とか、しめ縄が飾っていない家には回りません。

福祭文を読み上げるのが簡単なようで、なかなか難しいものです。微妙な節回しが必要で、青壮年では二日前に公民館に集まり、歌の練習をして本番に備えています。福祭文の先導役は、一般的に「ハナ引き」を呼ばれています。そして午後五時三十分には公民館に集まって、班分けなどを行い、地域に分散して巡回していきます。また、祝もちなどを集めることも必要です。

さて、福祭文ですが、門口に来ると、全員で「祝い申す」と言って、福祭文を歌っていきます。最初の「祝い申す」だけは、全員で歌いますが、次の歌からは「ハナ引き」が歌ったあと、残りのメンバーが繰り返して歌っていきます。

写真一枚目は、門を開けて、福祭文を歌っているところです。前にいるのが、「ハナ引き」です。

巡回の確認 写真二枚目は、川迎地域を13班に分けて、各班長は、回る地域や不幸のあった家庭などを間違いのないように確認しているところです。
腹ごしらえ 子供たちは、5時が過ぎると公民館へ集まってきます。福祭文が終わるまで、かなり時間がかかります。パンやジュースなどが配られていき、腹ごしらえをしているところです。六時ごろになると、子供たちの班分けが行われます。
熱燗の焼酎を配る 寒い時期に行われるので、体が温まりません。熱燗の焼酎を配り、気合付けや体を温めるために使います。この場で飲んだり、家庭を回るときに飲んだりします。
炊事場での準備 一方、炊事場では、福祭文が終わったあとの、飲み方の準備をしているところです。福祭文は、青壮年が中心になっているので、女性の賄い人がいません。男手で、おでんや鍋物を作っていくのです。
福祭文の練習 各家庭を回る前に、公民館で、歌の練習をします。本番に備えて、声の出来具合など、のどの調子を整えていきます。これが終わると、班ごとに分かれて福祭文を行います。
玄関で歌う子供たち 福祭文を歌っているところです。家のご主人が、「今日は寒いから、中に入ってきなさい」と話され、子供たちは玄関で歌っているところです。その間、ご主人は、廊下で静かに福祭文を聞いています。
福祭文を聞いているご主人 「ハナ引き」や子供たちが、福祭文を歌っている間、家のご主人は、座って聞いています。そして、歌い終わると、餅やお菓子などを子供たちに、差し出していきます。
焼酎を差し出す 家庭によっては、焼酎もコップに注いでおり、差し出してくれることもあります。
お菓子などの仕分け作業 各家庭から頂いたお菓子などは、買い物袋に入れられ、子供たちや青壮年の班長に配られていきます。その仕分けは、川迎地域PTAや青壮年の役員が担当します。
公民館での福祭文 福祭文の最後は、公民館で全員集まり行います。このときだけは、青壮年会長が「ハナ引き」を務めます。福祭文の間、公民館廊下で、その福祭文を正座して静かに聞いています。
お菓子を配る 公民館での福祭文が終わると、全ての行事が終了します。そして、低学年から買い物袋に入ったお菓子などを配り解散します。
鍋物を食べる 子供たちへの配り物が終わると、青壮年だけで、宴会が行われていきます。鍋物を食べながら、福祭文を語らいます。

川迎地域の福祭文の歌詞は次のとおりです。

福祭文

祝(いわ)い申(もう)す
イヨー これにこそや候(そうろ)よ
イヨ  何時(いつ)よりも今年(ことし)は
イヨー 門(かど)の松(まつ)が栄(さか)えた
イヨ  栄えたこそや候よ
イヨ  雪豊年(ゆきほうねん)の年(とし)なれば
イヨー 鶴(つる)と亀(かめ)が舞(ま)い来(き)た
イヨ  舞い来たこそや候よ
イヨ  四方(しほう)の隅々(すみずみ)に銭花(ぜにばな)がつぼうで黄金花(こがねばな)が開(ひら)いた
イヨ  開いたこそや候よ
イヨー これの殿(との)の身内(みうち)に
イヨー 泉酒(いずみざけ)が湛(たた)えた
イヨ  汲(く)み湛えたこそや候よ
イヨ  東(ひがし)三条(さんじょう)四条(よじょう)には白金(しらかね)の山(やま)を築(つ)き
イヨ  西(にし)三条四条には黄金(こがね)の山を築き
イヨ  白金の曲桶(まげおけ)に黄金の茶(ちゃ)びしゃく打(う)ち添(そ)えた
イヨ  打ち添えたこそや候よ
イヨー 富貴(ふうき)に祝(いわ)えと冥加(みょうが)に叶(かな)わせ給(たも)うよ
イヨー 三年俵(さんねんだわら)で候よ
イヨー 丁(ちょう)のお祝いお込(こ)みあれ

【過去の画像】

福祭文 2007.1.7
福祭文 2007.1.7