七草祝いは、鹿児島の伝統行事の一つです。一月七日に数えで七歳になった子どもの成長を祝う行事です。種子島でも同じように七草祝いでは、健康に育つように、まず神社で七草祝いの祈願をして、それから七軒の親戚やご近所を回って七草粥をもらいます。そして、記念写真をとったり、宴会を開いたりするのです。
最近の傾向として、お椀を持って、七草粥をもらいまわるかは定かではありません。ほとんど見ない傾向です。ところで、一月七日に、七草祝いとして、種子島では福祭文(くさいもん)を行います。
中種子町納官地区の七草祝いは、氏神である納官神社で午後6時から行われています。関係者が集まり、まず、神社に入る前に、福祭文を歌います(写真一枚目参照)。それが終わると、神社へ入り、七草祝いの神事が行われます。この日、数えで七歳と十五歳になった子供三人が保護者と同伴で出席しています。お祓いや祝詞の奏上、関係者、及び祝いの子供三人による玉ぐしの奉奠などが終わると神事も終了しまします。そして、神社内で、ナオライが始まり、しばらく宴を続けると、「めでた節」を全員で歌います。そのあと、「可程めでた」を歌います。これが終わると、神社でのお祝いはすべて終了します。
そして、納官小学校正門入口で、「福祭文」を歌います。ここで歌い終わると、納官地区としての祝い行事は終了します。それぞれの地域に戻り、公民館などで福祭文を歌ったりします。新築やリフォームの家があると、そこで、祝いを行います。
今回、原之里地域の一連の祝い行事を写真と動画で掲載しています。
写真二枚目は、納官神社での七草祝いの神事で、祝詞の奏上を読み上げているところです。 | |
写真は、七草祝いの神事で、玉ぐしの奉奠です。七草祝いの神事は、子供が主体なので、時間も短縮されています。 | |
写真は、「めでた節」を全員で歌っているところです。中種子町の祝い事には、必ずめでた節が歌われるのです。このあと、三人の子供たちへの自己紹介などを行っていました。 | |
写真は、納官小学校正門での福祭文です。福祭文は、まず、「年頭のご祝儀 門義ぎしゅくお祝い申そう」と口上します。そして、歌い終わると、「先も急げば春長う参り上げ申そう」との口上を言って、福祭文が終わります。 | |
写真は、原之里牧の神での福祭文です。真っ暗な闇の中での福祭文です。ここでの福祭文が終わると、原之里公民館へ移動します。 | |
公民館へ入る前に門松で福祭文を行います。歌い終わると、中に入り、防災無線を通じ、原之里地域にだけ、福祭文の歌を流します。写真は、福祭文を歌い防災無線へ録音しているところです。 | |
公民館での福祭文が終わると、新築・リフォームした民家へ出向き福祭文を行います。玄関前で、福祭文を行い、このとき家主は、玄関で正座し、福祭文を静かに聞き入っているのです。 | |
写真は、福祭文を歌い終わると、家の中に入り、ナオライを行います。しばらく宴を過ぎると、めでた節を歌ってお祝いします。これが終わると、すべての福祭文が終了します。 |
※ 2013年1月7日、中種子町納官で行われた七草祝い(福祭文)を撮影したものです。この動画に中には、納官神社での福祭文、七草祝い神事、ナオライ、納官小学校正門での福祭文、原之里牧の神での福祭文、原之里公民館での福祭文、原之里民家での福祭文などを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。