すき枠の乾燥
西之表市立安納小学校では、毎年、卒業記念として手作り和紙の卒業証書を作っています。卒業式で、正式な卒業証書と手作り和紙の卒業証書を授与しています。
平成28年12月20日(火)、理科室で5・6年生が和紙の紙すきを行いました。ところで、和紙は何から作っているかというと、種子島の主幹作物であるサトウキビです。さとうきびの茎を砕いたバガスから作っているのです。
平成28年12月19日に、さとうきびのバガスから紙すきができるようになるまでの下準備は済ませています。
今回の作業は、紙すき、すき枠から和紙のもとを落とす作業までです。全般的に根気のいる作業で、これらがうまく作業できないと和紙を作ることはできない大事な作業工程です。
安納小学校5・6年生の紙すき、すき枠から和紙のもとを落とす作業を紹介しています。子供たちの根気強い作業状況を写真と動画で掲載しています。
写真1枚目は、紙すきを済ませた枠を乾燥させておきます。和紙のもとをすき枠から落とすこの工程が、和紙のもとを破いたり、盛り上がったりと、失敗が多発します。そのバックアップをしておきます。
写真2枚目は、子どもたちによる紙すきです。枠内に均一になるように漉きます。大事な工程です。
紙すき
水分の除去作業
写真3枚目は、紙すきが終わると、水分の除去作業です。枠下の新聞紙で大雑把な水分を吸い取ります。
写真4枚目は、紙すきが終わると、新聞紙の上で、水気を取ります。この作業はペアーで行います。このとき、大量の新聞紙が必要になります。なお、水気を取る際に、和紙のもとに穴をあけてしまうこともあります。この作業から失敗が多くなります。作業は注意しながら行います。
水気を取る作業
習字紙を敷いて水気を取る作業
写真5枚目は、新聞紙の上で、水気をある程度取ると、今度は、すき枠の中に、習字紙を敷いて、更に水気を取ります。水気がなくなるまで行います。
写真6枚目は、下準備された和紙のもとです。バガスからきび内部の搾りかすを選別して、その搾りかすを細かく砕き煮詰めることを繰り返し、丸一日間、漂白剤を入れて白くさせます。それを紙すきのもとに使用します。また、白さを出すために洗濯ノリを適量加えます。
下準備された和紙のもと
和紙のもとを落下させる作業
写真7枚目は、水気を取り去る作業が終わると、すき枠を逆さにして、枠周囲を木づちでたたいて、和紙のもとを落下させます。この作業も大事な工程です。
写真8枚目は、すき枠から和紙のもとを落とすと写真のようになります。しわもなく上出来の和紙です。しかしながら、落とす工程で失敗が繰り返されます。ほとんどが破れてしまいます。
和紙のもと
和紙のもとをすき枠から落とす作業
写真9枚目は、子供たちも慎重に落とそうとしますが、うまく落ちてくれないこともあります。あまり水分を抜き取ると、網にへばりついて落ちてくれません。試行錯誤が続きます。
すき枠の工夫も必要です。破れる原因は、すき枠の網と枠の隙間まで和紙が入り込むのが大きな原因と思われます。この隙間を完全になくすと大幅な改善が見込まれます。
和紙の補修
写真10枚目は、小さな穴だったら補修できます。和紙作りは、根気な作業が続きます。
なお、サトウキビを用いた和紙作りの詳しいことは、西之表市立安納小学校(0997-25-0663)へお問い合わせてください。
※ 2016年12月20日、種子島の西之表市立安納小学校で行われたサトウキビの和紙作りの紙すき体験の模様を紹介しています。この動画の中には、下準備された和紙のもと、子どもたちの紙すきの作業、新聞紙の上での水分を取る作業、習字紙での水分除去作業、すき枠から和紙のもとを外す作業、外した和紙のもと、すき枠の自然乾燥、児童によるコメントなどを収録しています。
なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。
【種子島の学校活動:安納小学校サトウキビの和紙作り紙すき体験】